どこよりも早い「新NISA」の賢い使い方を教えよう 効率的に使いこなすための「3つの原則」とは?

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では、例えば、100万円投資した投資信託が150万円に値上がりしているとして、この150万円分を換金して引き出した場合、税制優遇の枠はどう管理されるのかというと、投資した価格(簿価)のベースで「利用枠に100万円空きができた」とカウントされることになる。

この「枠」の管理はそれなりに面倒そうで、一部ではシステム開発が間に合うのか心配されたのだが、次に説明するような事情で「間に合う」と考えられている。

新旧のNISAはどうなる?

(4)新旧分離で、これまでの分は「やり得!」に

新旧分離とは、これまでのNISAの利用と、2024年に始まる「新しいNISA」の利用を分離して共に可能とするということだ。

「これまでのNISAの運用資産はどのように新制度に移行されるのか?」と心配した投資家がいたかもしれないが、これまでのNISAは制度のルール通り最後まで利用できて、「新しいNISA」をゼロから始めることができるので、これまでのNISAを利用してきた投資家は、ある意味では「やり得!」だといえる。

例えば、来年、2023年に一般NISAで120万円投資した人は向こう5年、つみたてNISAで40万円投資した人は向こう20年、税制優遇された運用を続けることが出来て、その運用を続けながら、2024年からは「新しいNISA」での投資を並行して始めることができる。

すると、新しいNISAの個人利用の総枠が上限に達するのはその数年後(今回の「枠」の設定だと5年先)になるので、システム開発は十分間に合うだろうという仕掛けだ。

また、ここまでの(1)、(2)、(3)、(4)を組み合わせると、期限が来たNISAの運用資産を次の期間に引き継ぐ「ロールオーバー」と言われる手続きがすっかり不要になることがわかる。NISAの説明にあたって、ロールオーバーは煩雑で面倒なものの一つだったので、これが無くなることは制度の普及上、地味だが有りがたい変化だ。

(5)個人総額1800万円、「成長投資枠」1200万円

NISAは投資で得られた運用益に対して非課税になる制度だが、非課税の対象となる運用資産の上限(「枠」)がいくらになるかが、大いに注目された。

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