「嫌われない技術」がデキる人に必要な納得の理由 優秀な人が実践している嫌われないための方法

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「大人の対応」というのは「呼吸法」にあるのだと思うことが多々ある。大人(たいじん)はスピード感ある仕事をやっていても、ゆったりしている。その余裕が、「嫌われる」リスクを軽減してくれる。

ミスを責めるよりチャンスを与えよ

私が好きな映画のセリフに、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でスカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウがさらりと言ったこのフレーズがある。

I don’t judge people on their worst mistakes.
(過去の最悪のミスでその人を判断しない)

〝人格者ふう〞になるには、この精神が大事だ。私自身も毎日毎日ミスばかりだ。失敗から学び、努力を積み重ねても、なかなか自分の傾向を変えることは容易ではない。しかし、確実に過去より「まし」になっているはずだ。

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人間は大きなミスをした人を責めがちである。特に、自分に自信がないアホに顕著だ。ミスを大仰に指摘し、相手をやり込めることで、自分の優勢を保とうとする。

しかし、それでは「明日は我が身」である。人間似たようなものだ。自分だってミスをし、反省したからといって一回で完全に直らない。ミスは繰り返すのが常だ。そんなミスをいつまでも狭量に責める暇があったらチャンスを与えた方がいいはずだし、私の周りの人はそうしてくれた。

結局、自分の問題だ。他人のミスで揺らがないようなポジションを築いておけばいい。太っ腹でいられるための土台は、揺るがない自分。それを築けば大切な人を守れるし、他人のミスにも寛容に対処できる。

他人の過去のミスを許さないことは狭量であり、自分のことを棚に上げて省みないようでは成長できない。そんな狭い視野では、チャンスを逃してしまう。自分も他人も含め、世界そのものが完璧でないと心がけよう。

田村 耕太郎 国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院兼任教授、2024年一橋大学ビジネススクール客員教授

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たむら こうたろう / Kotaro Tamura

早稲田大学卒業後、慶応大学大学院(MBA)、デューク大学法律大学院、イェール大学大学院各修了。オックスフォード大学AMおよび東京大学EMP修了。ランド研究所研究員、新聞社社長を経て、2002年から2010年まで参議院議員。第1次安倍政権で内閣府大臣政務官。

2014年より、国立シンガポール大学リークワンユー公共政策大学院で「アジア地政学プログラム」を運営し、20期にわたり500名を超えるビジネスリーダーが修了。2022年よりアメリカ・サンディエゴでアメリカ地政学プログラム開催。

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