「みんな平等に」出社要請した会社のまさかの末路 「在宅引きこもり部下」に困った上司の最悪な対応
最初は、「多様な働き方を推奨する」という会社の姿勢を肯定する声が多く聞かれた。だから、「強制的に出社させるのはどうなのか?」と疑問を投げかけるマネジャーもいた。
しかし、
「そうは言っても、在宅ワークは効率が悪い」
「見ていないと、家で何をしているかわからない」
という意見が増えていくと、次第に会社の新たな方針──「出社を基本とする」への転換を支持する声が高まった。
それらの声は、部署内で見かける不公平感、また組織としての一体感を重視していた。強くなる出社派の声に対し、在宅派の意見は少数派となり、結局、翌日から本人に出社を促すようになった。しかし、この意思決定は、想像以上に悪い結末を迎えた。
3年近く在宅で引きこもっていた部下は、渋々とオフィスに足を運んだ。しかし、彼が以前のように輝くことはなくなった。効率的に営業活動ができず、成績は下降していった。
さらに悪いことに、彼のやる気もみるみるうちに下がった。自宅で働くことができず、1日中人間関係に疲れ、業績を出すための自由な発想ができなくなった。
強制的にかごの中に入れられた鳥のようだと言えばわかりやすいだろうか。以前は、外を元気に飛び回っていた鳥だったのに。
この状況を目の当たりにしたマネジャーたちは、自分たちの決断がどれほどの悪影響を及ぼしたかを痛感した。
本来なら業績を引き上げるはずの優秀な部下を、ただの1人の無気力な部下に変えてしまったのだ。
忘れてはならない3つのパターン
今は多様性の時代だ。多様な働き方を認めるべきだという風潮は定着している。この会社も基本的な姿勢として「多様な働き方を推奨する」と明言しているのだ。
忘れてはならないポイントがある。次の3つのパターンが存在するということだ。
2、在宅だと成績不振
3、どちらでも成績不振
これらすべてのパターンを把握せず、個人個人ときちんと向き合っているか。決めつけてしまってはいないか、ということだ。
在宅だと成績優秀だが、出社だと成績不振になる人は、集中力や時間管理能力が高い。逆に、人間関係や社内の雑務など、出社時の余計な負担がパフォーマンスを下げてしまう。
在宅だと成績不振だが、出社すると成績がアップする人は、人と直接会うことでモチベーションが上がったり、オフィスの環境が集中力を引き出すタイプだ。
どちらでも成績不振の人は、在宅でも出社でも結果が出せないということは、そもそもの仕事に対する意欲やスキルが足りないのかもしれない。おそらく基礎教育をやり直したほうがいいだろう。
このように、個人個人が違う背景や特性を持っている。それを無視し、全員を同じ枠組みに押し込めるからこそ問題が起こるのだ。ではどうすればいいのか?
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