「自分は客観的」自負する人に教えたい残念な真実 体感して理解!脳は現実を誤って解釈する
脳はコンピューターとは違う
脳は大量のエネルギーを消費する。例えば、毎秒11メガバイト相当の情報を目から取り込むことができるが、意識的に「見る」画像として「アップロード」できる情報は毎秒60バイトほどにとどまる。これは、パリの全住民の顔が目の前にあるのに、そのうち8人しか見えていないのと同じことだ。
時間と精神的エネルギーを節約するため、脳は2つのことをしている。
1つは、アップロードする情報の選別。「新しいものはある? 何か変わった? それは重要? 重要でないなら、もう知っていて理解もしている規範とパターンに頼って、エネルギーを節約しよう」と脳は考えている。
もう1つは、超高速の予測。事前の知識と経験をもとに、意識的思考が割り込む隙もなく、欠落した情報が補われる。そこにあるであろうものをすばやく推測することにより、脳は次の展開についてかなりいい勘をはたらかせている。
つまり、現実をありのままに処理するコンピューターとは違うのだ。すべてについて100パーセント正確であろうとしても、それは認知能力の盛大な浪費でしかない。ゆえに脳は重要でない詳細を省き、本当に必要なものに注力する。いま起きていることを理解し、変化を予測し、妥当な反応ができるようにするためだ。
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