「お金で幸せを買えますか?」
お金で幸せを買えるかどうか聞かれたら、あなたは何と答えるだろうか?
既存のデータが示すのは、2つの対照的な答えだ。大規模な調査では、社会で相対的に裕福な人のほうが貧しい人よりも幸せだという結果が得られることが多いから、そこから考えると答えはイエスかもしれない。
しかし、多くの欧米諸国では過去50年で1人当たりの収入は大幅に増えたにもかかわらず、市民の平均的な幸福度はほとんど変わっていない。この結果からは、冒頭の問いへの答えはノーと言えそうだ。
この明らかな矛盾は「イースタリン・パラドックス」と呼ばれている。この奇妙な傾向を最初に記載した教授にちなんだ用語で、次のように説明することができる。「幸せを買うのはお金そのものではなく、自分と似たような人々よりも多くお金をもっているという認識だ」。
さらに言うと、仲間よりも財産が少ないという考えは、ヒトにおいて人生の満足度を下げる最大の原因の1つである。



















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