「クックパッド」は何故こんなにも凋落したのか 栄華を極めた2016年以降、業績は右肩下がり

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しかし我が家は、卵を切らしている。「代替の食品はないか」と頼むと、ヨーグルトや豆腐でクリーミーさを加えたり、アーリオオーリオなどの別メニューに変えたりといった対案を出しつつも、「真のカルボナーラの風味は卵とベーコン(またはパンチェッタ)によって作り出せる」と叱られてしまった。駄々こねちゃって、ごめんね。

料理に特化し続けるクックパッドの活路

余談はさておき、話を戻そう。

ChatGPTをはじめとするチャットボットは、急速に精度を高めている。事前に学習させたデータベースだけでなく、ウェブ上を検索する機能も備わりつつある。ゆくゆくは、クックパッドのみならず、あらゆるCGMは情報ソースになるものの、直接ユーザーが訪れる場所ではなくなってしまいかねない。想像以上のスピードで、Xデーは近づいている。

クックパッドでは、かつて「お家騒動」が起きた。2016年、穐田誉輝社長(当時)が進めていた事業多角化に、創業者で大株主の佐野陽光氏が反発。経営陣を一新し、事業を整理したうえで、「料理」主体の企業へ原点回帰させた。

退任した穐田氏は、クックパッド傘下だったチラシ配信サービス「トクバイ」(ロコガイド)や、結婚式場CGM「みんなのウェディング」などを引き連れて、「くふうカンパニー」社にまとめた。ちなみに時価総額は現在、クックパッドが約191億円、くふうカンパニーが約269億円となっている。

このままクックパッドが、料理に特化し続けるのであれば、起死回生の一手は何なのか。一案だが、いっそ「専門家集団」に活路を見いだしてはどうだろうか、と筆者は考える。

クイズの回答や作問を軸に、知的なタレントとしても知られる「QuizKnock(クイズノック)」の料理版のような、インフルエンサー集団を作れたら──。同社が掲げるミッション「毎日の料理を楽しみにする」の実現にも、一歩近づくのではないかと思うのだが、いかがだろうか。

城戸 譲 ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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きど・ゆずる / Yuzuru Kido

1988年、東京都杉並区生まれ。日本大学法学部新聞学科を卒業後、ジェイ・キャストへ新卒入社。地域情報サイト「Jタウンネット」編集長、総合ニュースサイト「J-CASTニュース」副編集長などを経て、2022年秋に独立。現在は東洋経済オンラインのほか、ねとらぼ、ダイヤモンド・オンライン等でコラム、取材記事を執筆。炎上ウォッチャーとして「週刊プレイボーイ」や「週刊SPA!」でコメント。その他、ABEMA「ABEMA Prime」「ABEMA的ニュースショー」などネット番組、TOKYO FM/JFN「ONE MORNING」水曜レギュラー(2019.5-2020.3)、bayfm「POWER BAY MORNING」などラジオ番組にも出演。政治経済からエンタメ、炎上ネタまで、幅広くネットウォッチしている。
X(旧ツイッター):@zurukid
公式サイト:https://zuru.org/

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