IT大手が入社試験に採用「フェルミ推定」の威力 仕事や生活の場で、考えて見積もる力を養う
以上をふまえて算出します。
日本の年間書籍売上(円/年)
= 日本の人口(人)× 読書習慣がある人の割合
× 書籍1冊あたりの平均売値(円/冊)
× 読書習慣がある人1人あたりの年間購読冊数[冊/(人・年)]
= 1億2000万(人)×70(%)×1000(円/冊)×20[冊/(人・年)]
= 1兆6800億(円/年)
よって、1兆6800億円と推定されます。
「⑥結果とプロセスの検証・提示」
フェルミ推定によって値が出たら、必ず検証をしましょう。また、結果を人に伝えるときには結果だけでなく、その数値を得たプロセス、これまでの①~⑤の手順を丁寧に説明することを心がけてください。
ちなみに、公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所が発表した出版市場調査によると、2022年の紙+電子の出版物の推定販売金額は1兆6305 億円です。推定値は1兆6800億円でしたから、今回はいい推定になりました。
大きく外れてしまったら?
特に初心者の頃は自分の出した「だいたいの値」が、実際の「正しい数字」と大きく違うことがあります。そんなときは「情報の整理」「分解」「具体化」「モデル化」などのどこに問題があるのかを検証してみてください。やりっぱなしはよくありません。大きく外れてしまったときこそ、数学的センスを磨くチャンスです。
フェルミ推定は、明確な思考プロセスによってモデル化した式に推定量やデータを入れて概算します。そのため検証はしやすいはずです。失敗も含めて場数をふめば、知らず知らずのうちにフェルミ推定の技術と数学的センスが鍛えられるでしょう。
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