IT大手が入社試験に採用「フェルミ推定」の威力 仕事や生活の場で、考えて見積もる力を養う

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「フェルミ推定」という言葉が市民権を得るようになったのは、21世紀になってから、GoogleやMicrosoftといった企業が入社試験に「東京にはマンホールがいくつあるか?」のような問題を頻繁に出すようになったからです。

フェルミ推定の問題を出題すると、受験者が数学的センスを持っているかどうかが判断できるため、近年ではさまざまな企業の入社試験でこの手の問題が出題されています。

フェルミ推定の手順を例題でマスターしよう

フェルミ推定を行うには、下の図の通り、「数学的センスの7つの力」がすべて必要です。

『「数学的センス」を磨く フェルミ推定』P.78より

それでは実際にフェルミ推定の例題を手順と照らし合わせながら解いてみましょう。

Q.日本の年間書籍売上はいくらか?

「①情報の整理」と「②具体化」

書籍の売上を概算するにあたり、必要な情報は何だろう? と考えてみます。できるだけ具体的にイメージしてください。書店に並ぶお客さん、Amazonなどでポチっているユーザー……。彼や彼女たちは何を手に持っていますか? あるいは何の画面を見ながらクリックしているでしょうか?

さらに、自分のまわりで書籍を購入している姿が想像できる人はどんな人で、何人くらいいるかも考えてみます。この段階で具体的な思考実験ができればできるほど、このあとが進めやすくなります。

「③分解」

①と②を通じてイメージが膨らんだら、「日本の年間書籍売上」を決定する要素をできるだけ細かく分解していきます。ここでは、必要な要素を「日本の人口」「読書習慣がある人の割合」「書籍1冊あたりの平均売値」「読書習慣がある人1人あたりの年間購読冊数」の4つにしました。

最初はなかなかうまくいかないかもしれません。コツは求めたい推定量が「何によって決まるのか?」ということをさまざまな視点を試しながら、できるだけ分析的に考えることです。顕微鏡のピントを合わせるような感覚に近いでしょうか。そうすれば、どのような要素に分解すべきかが見えてきます。

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