「高齢一人暮らし」を満喫する人の"幸福な生き方" これから「ご褒美の人生」をどう楽しく生きるか

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それに何といっても、行き当たりばったりの店で美味しいものに出会うと嬉しくなります。「次は山のほうに出かけて蕎麦でも食べてくるか」という広がりが生まれます。ほんの日帰りの昼飯の旅でも、一人の世界がどんどん広がってくるのです。

もうここからは「ご褒美の人生」

高齢になってからの生き方をあれこれ提案してきたわたしが、こんなことを書いてしまったら大胆に思われるかもしれませんが、毎年毎年、「もう〇歳になったのか」とか「あと〇年で何歳か」と自分の齢を数えるような生き方はそろそろ終わりにしてみませんか?

長生きできるのは文句なしに幸せなことです。その長生きが、いろいろ悩みや不安の種をもたらしているとしても、生きている間は自分の人生を楽しむしかありません。

そこでもう、「ここからはご褒美」と割り切ってみましょう。ずっと頑張ってきて、やっと自由が手に入ったのです。そのご褒美をプレゼントしてもらえたと考えれば、あとその人生を自分でどう楽しみ尽くすかということだけです。あと5年生きるか50年生きるか、もっともっと長生きできるかそれはわかりません。

でもご褒美と受け止めれば遊び暮らしてお金を使い果たすもよし、バカなことに時間を浪費するのもよしでしょう。まわりや世間がどう思おうが、「いまは自分のご褒美の時間を楽しんでいるだけだよ」と胸を張っていいはずです。

心の自由も同じです。ご褒美の時間と考えれば、何も制約するものはありません。誰にも気兼ねは要りません。子どもにも夫や妻にも気兼ねしなくていいはずです。ご褒美だから飾っておかなくてもいいプレゼント。でも幸運にも分けてもらえた人生だから全部、自分の楽しみに使ってしまえ!

定年まで勤めあげたある高齢の男性がこんなことを言ってました。

「現役のころはボーナスを貰ってもローンや貯金に消えるからちっとも嬉しくなかった。有休を取っても家族サービスで使ってしまった。ほんとは働いているご褒美だから、全部自分のためだけに使ってみたかった」

現実には家族がいれば許されません。でも一人になったらもう、使い切って心ゆくまで楽しみ尽くす。そんな気概こそ、これからの人生には大切になってきます。そのとき初めて、一人の身軽さがありがたく思えるような気がします。

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