「高齢一人暮らし」を満喫する人の"幸福な生き方" これから「ご褒美の人生」をどう楽しく生きるか
一人で観に来るからこそ一人で没頭できる、映画が好きで良かったと満足します。映画を観終わったら繁華街をぶらぶら歩くのもいいし、余韻に浸りながら静かなバーでお酒を飲むのもいいでしょう。自宅のテレビで映画を観ているだけでは決して味わえない幸福感に包まれます。
「一人で楽しむ老いはいいな」
都会の老いの孤独にも幸せの種はきっと見つかります。むしろ都会でなければ見つからないものがあるはずです。映画館の暗闇もその一つ、寄席の落語や老いた芸人たちの飄々とした芸、一人で出かけるなら場所はいくらでもあるのです。
風来坊な老人になってフラフラと食べ歩く
もう1つ、都会ならではの楽しみがあります。交通網が発達して日帰りで近在の町に出かけるには都会ほど便利な場所はないからです。
たとえば朝の通勤ラッシュを外して電車に乗っても、東京なら千葉や神奈川、あるいは茨城まで足を延ばすのは日帰りで十分に可能です。
とりあえず「海のほうへ行こう」と目的地だけ決めて電車に乗れば、港町で昼ご飯を食べることができます。漁師町の小さな食堂で新鮮な魚料理、といっても焼き魚定食ぐらいなら気安く味わえるのです。
あるいは北関東まで出かけて餃子を食べてもいいし、ラーメンならそれこそどこに出かけても、行き当たりばったりのラーメン屋でその町独特のスープや具の入った地元のラーメンが味わえます。たまには贅沢を決め込んでウナギもいいでしょう。
『孤独のグルメ』を気取るまでもなく、一人暮らしの高齢者こそ一人ご飯は自然体で楽しめる世界だということです。
自分で料理して自宅で食べるのが高齢者の自立した生活にはいいと言われますが、味気ないし義務でボソボソ食べるような昼ご飯にしかなりません。家族や同居している人間がいると、やれ「そんな脂っこいものばかり食べて」とか「齢なんだから外食ばかりしてないで」と言われそうですが、一人なら遠慮は要りません。
それに日帰りの小さな移動でも歩き回ります。いろんな風景も目にするし、人間にも会います。どんな小さな町に行っても働いている高齢者はいるし、マイペースで暮らしている同世代が大勢います。そういう仲間たちに会えば、「まだまだ楽しまなくちゃ」という元気が出てきます。
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