「高齢一人暮らし」を満喫する人の"幸福な生き方" これから「ご褒美の人生」をどう楽しく生きるか

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生き生きとした高齢者
高齢になってからの一人暮らし。寂しい生活なのではなく、「ご褒美の人生」と考えてみては(写真:elise/PIXTA)
ネガティブな意味で使われることの多い「独居老人」という言葉。独身率が高まり、高齢化が進むにつれて、一人で暮らす高齢者も多くなっていくでしょう。はたして、高齢の一人暮らしは「孤独」なのでしょうか?
「寂しくなんかない」と断言するのは、“高齢者専門の精神科医”和田秀樹氏です。年を経て過ごす一人の時間の楽しみ方を伝授します。
本稿は、『心が老いない生き方』(ワニブックスPLUS新書)より一部抜粋・再構成のうえお届けします。

一人で飄々と生きる、面白おかしく老いていく

都会でも地方でも、一人暮らしの老人は大勢います。

「寂しいだろうな」

「家族もいないのは可哀そうだな」

「何もかも一人でやるんだから大変だろうな」

ついそんな同情の眼で見てしまいがちですが、本人はどんな気持ちだと思いますか? たとえば地方の古い家に住むおばあちゃんです。夫に先立たれ、子どもたちは遠く離れた都会で暮らしています。孫を連れておばあちゃんのもとに帰ってくるのは年に一度か二度、お盆と年末年始、くらいなものです。

寂しくないのか?

寂しくなんかありません。隣近所にも同じ境遇の仲良しがいるからしょっちゅう、顔を合わせてお茶を飲んでいます。自分が高齢になってみると、同じような境遇の同世代にいままで感じなかった親しみが自然に生まれてくるのだそうです。終(つい)の友だちという感覚です。

一人暮らしは可哀そう?

本人は自分を可哀そうとは思っていません。誰にも気兼ねしないで、朝起きて夜寝るまで、自分のペースでゆったりと暮らせるのです。のびのびと、心底くつろいで暮らしている老人がほとんどです。

一人じゃ大変?

一人暮らしはできることをやるだけです。夫あるいは子どものための家事というのは、「なんと世話の焼けたものか」と一人になって気がついたそうです。たまに子どもたちが帰ってきて賑やかになると、「早く一人に戻りたい」と思うそうです。

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