松下幸之助夫人に起きた「奇跡」とは? 「奥さんに奇跡が起こったんや」

✎ 1〜 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 43 ✎ 最新
拡大
縮小
松下幸之助氏(左)と庭の鉢植えを楽しむ、むめの夫人(昭和50年8月、兵庫県西宮市の自宅で)(写真:読売新聞/アフロ)
昭和の大経営者である松下幸之助。彼の言葉は時代を超えた普遍性と説得力を持っている。しかし今の20~40代の新世代リーダーにとって、「経営の神様」は遠い存在になっているのではないだろうか。松下幸之助が、23年にわたって側近として仕えた江口克彦氏に口伝したリーダーシップの奥義と、そのストーリーを味わって欲しい。(編集部)

昭和54年(1979)10月、ある婦人雑誌の取材。インタビュアーは、確か、上坂冬子氏だったと思う。この日は、朝から体調がいいのだろう、松下幸之助は、楽しそうに応じていた。“松下さんの奥様はどういう方ですか。あまりマスコミに出ていらっしゃいませんが……”と質問すると、松下は、笑いながら、ユーモアを交えて、話を始めた。

夫人は、合理的でしっかりした女性

当連載の関連書籍「ひとことの力」は好評発売中です。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

「家内ですか。う~ん、そうですなあなかなか文句の多い人ですわ。負けん気が強いですな。私の今日までの歩みは、奥さんと闘い仕事と闘いですわ。気ぃ強いですからね。だから、ある場合には間に合うけどある場合には困ると。

そうですなあ、まあ代議士にしてもいいほどですわ。しっかりしている。けど、しすぎてもいる。あんまり、外に出たがりませんな。

話したらなかなかよう喋りますけど、写真をとってもらったり、表に出たりするのは嫌がりますな。そういう点では明治の女ですわ」

次ページ夫人とはよく意見が対立した
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
作家・角田光代と考える、『源氏物語』が現代人に語りかけるもの
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT