「目標設定=数字」と勘違いする上司が残念な理由 部下の「やる気」と「心理的安全性」を高める方法

ビジネスにおいて重要な数字目標だけではない、メンバーのやる気を引き出す、うまい「目標設定」の方法を紹介します(写真:Fast&Slow/PIXTA)
ビジネスでは数字が重要だ。そして職場における目標設定でも、各部署や各メンバーに対して、期初に数字で目標が与えられることが一般的だ。だが、数字目標を割り当てることが自分の仕事だと勘違いしている管理職も多いのではないだろうか。確かに数字目標は大事である。しかし、それを与えただけで部下がそこに邁進すると思っているなら大間違いだ。元Googleの人材開発責任者でもあるピョートル・フェリクス・グジバチ氏の最新刊『心理的安全性 最強の教科書』から、マネジャーにとって重要な、メンバーのやる気を引き出す、うまい「目標設定」の方法を紹介する。
みなさんの組織では、メンバーに対しての目標設定を、どのように行っているでしょうか。実は目標設定やその目標の伝え方は、管理職にとっての大きな腕の見せどころでもあります。
企業によって、KPI(業績評価を定量的に評価するための指標)やMBO(目標管理。メンバーによる主体的な目標設定とはいえ、上から管理される)のように、目標が上から降りてくる場合もよくあります。
数字のノルマだけではやらされ感が募る
よくありがちなのは、「去年の目標が100だったから、今年は110が目標です」と、去年の実績にプラスする形で数字が決まるような目標設定です。マネジャーも、上から降りてきた数値目標をそのままメンバーに伝えることが多いかもしれません。
しかし、単に「数字を出せ」と言われても、メンバーはその目標にまったく魅力を感じないでしょう。また、自分がそれを目指すべき理由も理解していないかもしれません。
そして目標に対する納得感のないまま、「仕事のやらされ感」だけが募っていけば、自分らしく働くことができず、心理的安全性は当然下がっていきます。長期的に考えて、そのチームの生産性は低下することでしょう。
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