「目標設定=数字」と勘違いする上司が残念な理由 部下の「やる気」と「心理的安全性」を高める方法
とはいえ、「目標はメンバーの言いなりでよい」と言っているのではありません。それでは会社経営が成り立ちません。
ではマネジャーはどうすればいいのか。
そこで、単に数値目標を伝えるだけでなく、その目標をメンバーが自分事として受け取れるよう工夫してみます。「数字を達成した自分がどんなふうに成長しているか」「どんなふうに顧客に喜ばれるか」をメンバーがイメージできたら、どうでしょうか。つまり 「自分にとって望ましい目標だ」と本人に気づかせるのです。そうすればメンバーのやる気アップにつながりそうですね。
「この目標を達成することで、あなたにはどんなメリットがありますか?」
「この目標を達成することで、顧客にどんな価値を提供したいですか?」
「この仕事をやり遂げることで、あなたはどんな状態をつくりたいですか?」
「この仕事を通じて、あなたは何を学び、何を得たいですか?」
トップダウンの目標設定であっても、仕事を通じて学べることや、社会に対して貢献できることがあるはずです。また、自分の欲求を満たすこともできるはずです。目標達成によって本人にどんな意義があるのか、対話を通じて考えさせることが大切です。
マネジャーが行うべきプロセス管理
どんな目標であれ、自分の学びや成長につながり、次のチャンスをもたらし、社会的な価値を生み出すことができます。そのことをメンバーが理解すれば、自分らしく働くことができて、仕事に対する意欲も湧いてきます。
成果を求めるからには、結果に対しては厳しく臨む必要があります。しかし、その手前の目標設定に関しては、「本人が意欲的に取り組める目標設定になっているか」「本人らしく実力を発揮しやすい目標設定になっているか」に注意を払う必要があります。そのうえで、目標に到達できるよう各人のパフォーマンスを管理していきます。
これが職場の心理的安全性を高めるためにも、マネジャーが行うべきプロセス管理なのです。
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