東京駅で爆売れ「お土産菓子」作る鳥取企業の正体 あの北海道「ルタオ」生み出したヒットメーカー

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店舗展開は、土産物売り場の激戦地である東京駅エリアで攻勢をかけている。2020年3月期には東京駅での出店は3店舗だったが、コロナ禍でも出店を拡大し現在はシュクレイの8店舗を中心にグループで12店舗になった。

松本氏は「東京駅は土産が一番売れる場所なので、どの会社も狙っている。その中で次々に出店できているのは、ザ・メープルマニアを中心に店舗や催事で実績を残せたからだ」と語る。

「ザ・メープルマニア」は、女性受けのよいメープル味を打ち出し、売り場で過去最高の売り上げを記録した。すると人流が多い売り場に出店できるようになった。そこで売り上げを伸ばし、さらに好立地の売り場への拡大や他のブランドの店舗の出店につながった。

「いい売り場をいただいて、期待以上に成果を出すことが一番の営業活動」(河越社長)。今後の成長のカギは東京駅など首都圏でのシュクレイの拡大と、インバウンド需要の復活だ。

コロナ禍から株価は3倍へ上昇

インバウンド向けで重視している国際線ターミナルのギフトショップでの売上高は、2020年3月期に約54億円から2021年3月期に約9800万円とほぼ消滅した。ただし昨秋の入国制限緩和以降は回復基調。2026年3月期に100億円の目標を掲げる。

とはいえインバウンドでは知名度の高い土産が人気で、まだ認知度が低い。国際線ターミナルでの営業に力を入れ始めたのは7~8年前からで、東京ばな奈や白い恋人と比べて「入り込むのは遅かった」(松本氏)。

そこで外国語で接客できる販売員を積極的に配置して、試食を通じた客とのコミュニケーションを重視する「超試食販売」と呼ぶ得意の手法でアピール。東京駅と同様に、実績を重ねて好立地の売り場を拡大していく目論見だ。

コロナ禍でも新ブランド開発や出店拡大など、攻めの姿勢を続けた寿スピリッツ。2020年9月に約1500億円だった時価総額は、5月末時点で3200億円超へ倍増している。株式市場の期待を集める中、どこまで快進撃が続くのか。本格的に人流が回復する中、真価が問われるのはこれからだ。

田中 理瑛 東洋経済 記者

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たなか りえ / Rie Tanaka

北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。ゲーム・玩具、コンテンツ、コンサル業界を担当。以前の担当は工作機械・産業用ロボット、医療機器、食品など。趣味は東洋武術。

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