どのタイプも、自分が機嫌よくいられるために子どもを利用し、しばしば親子の役割を逆転させ、有無を言わせず子どもを大人の問題に巻きこむ。
ここからは私が分類した4つのタイプについて見ていこう。
いずれのタイプにも顕著なのが、子どもに不安感をもたらす可能性だ。子どもの精神的な安定がどうむしばまれていくかはそれぞれ異なるが、共感が乏しく、精神的なサポートができず、敏感性が低いのは同じだ。
またどのタイプにも、程度の差こそあれ利己主義が存在することも忘れないでほしい。ひどいときには、親が精神的に病んでいたり、心身の虐待をしたりしている場合もある。
① 感情的な親
感情のままに行動し、過干渉かと思えば急に突き放したりする。不安定で、突拍子もないことをしがちだ。不安に圧倒されると、他者を利用して自分を落ち着かせる。ささいなことで大騒ぎし、相手を、自分を助けてくれるか見捨てるかのいずれかとして見る。
4つのタイプの中で最も幼稚だ。感情が爆発して収拾がつかなくなると、自殺や他者への暴力につながることさえある。周囲がおびえるのも当然だ。
子どもに独りよがりな価値観を押しつけ
Rさんは40代の自立した女性だが、母親はなおも娘を自分の感情でコントロールしようとしていた。Rさんが病気で数日寝こんだときには母親から1日に5回も電話がかかってきたことがあった。
「もう治っただろう」と勝手に思われ、家にも押しかけられた。Rさんが「来ないでくれ」と頼んでいたのにだ。そこでついに、ドアに施錠した。後日、母親に言われたそうだ。
「あんたに締め出されて頭にきたから、ドアを壊そうかと思ったよ!」
実際に母親が気にしていたのは自分の気持ちだけで、Rさんのことなどどうでもよかったのだ。
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