「67歳のときに肝臓がんの診断」 しかし延命治療を拒否した母…《"何もしない"という選択》をした彼女の真意

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看取り
「治療してなるべく長く生きてほしい」と願う家族と、「延命治療はせず自宅で過ごしたい」と言う患者。その折り合いはどのようにつけていくのでしょうか(写真:kou/PIXTA)
老いや病気に体をむしばまれても、人が死を迎えるときの「一番幸せな形」とは何か?
これまでに2000人以上を看取った在宅緩和ケア医の萬田緑平氏の患者は、治療をやめて最期まで自宅で自分らしく生きることを選んだ人たち。やがて迎える看取りは、涙にくれる悲劇ではなく、「ありがとう」という感謝の言葉がふさわしいハッピーエンドだと言います。 
いかにして治療を離れる不安や心の痛みを払拭し、痛みをコントロールしながら死へと向かう体の変化を受け入れて、幸せに亡くなっていったのか。
本稿は、がん治療の最前線にいた大学病院の外科医から緩和ケア診療所に転職した時期に、萬田氏の心に残った命の記録を、新刊『自宅で迎える本当に幸せな最期のとき』より一部抜粋で紹介します。

「自宅で最後まで生き抜く」という選択肢がある

丸山節子さん(享年75)
夫と2人暮らし/2004年、肝がんの診断を受け、自宅近くのクリニックに通院して経過観察のみ続ける/12年10月、体調不良が著しくなり、「いっぽ」受診。訪問診療開始/同年11月、緩和ケア病棟を予約。入院予定日の前日、自宅にて死去。

僕が外科医から在宅緩和ケア医に転身して驚かされたことの一つに、葬式ネットワークというものがある。

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