「怒らなければよかった」……。ちょっとしたことでイライラしてしまい誰かに八つ当たりしたあと、こんなふうに怒った自分を責めてしまう人は、少なくない。だからと言って、「もう怒るのはやめよう」と誓ってイライラを抑えようとするのは、自分の中にストレスをため込むだけ。怒りを抑えつけていると、たまりにたまったものがいつか大爆発して、それこそ相手との人間関係が壊れかねない。
アメリカで社会現象になっている著書『親といるとなぜか苦しい』著者であるリンジー・C・ギブソン氏は、怒りの感情を持つのは悪いことではないと主張する。氏が教えてくれたイライラしたときに怒りをうまく吐き出すコツとは――。
アメリカで社会現象になっている著書『親といるとなぜか苦しい』著者であるリンジー・C・ギブソン氏は、怒りの感情を持つのは悪いことではないと主張する。氏が教えてくれたイライラしたときに怒りをうまく吐き出すコツとは――。
「怒る自分」に罪悪感
Pさんは、なにかにつけいつもイライラしている自分、怒ってばかりいる自分が嫌だった。だから、冷静な自分を装い、怒りを抑えつけるしかないと思っていたし、「自分は理由もなくイライラしている不満の塊(かたまり)ではないか」と密かに悩んでもいた。
しかし、あるとき、その怒りは彼女をみくだし、精神的にネグレクトをしてきた両親に根本的な原因があると気づき、新たな視点で自分の怒りについて考えるようになった。
「怒る理由は山ほどあるし、怒りは、真の自己からわいてきています。真の自己は、『私は怒っていいのだ』と思い切り背中を押してくれます。もう自分を偽って生きていかなくてもいい。親とうまくやっていこうとしてきましたけど、孤独感や失望を味わうだけでした。いっしょにいるとかえって孤独だったんです」
自分のなかにくすぶっていた怒りを受け入れて初めて、Pさんは自分が「自分の意思はさておき、わたしが犠牲になって心を砕けば、いつの日か幸せになれるはずだ」という思い込みを抱えていることがはっきりと認識できた。
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