どんな生物種も独自の生態的地位を占めていて、特定の環境で生き延びて繁殖できるよう最適化されている。
そしてあらゆる生物種の中でも、人間はもっとも多様な生態系で繁栄している。砂漠や熱帯雨林、極地の凍りついたツンドラ、さらには宇宙に浮かぶ国際宇宙ステーションの中でも暮らしている。
我々は精神の柔軟性に基づいて立ち直る力を持っており、それはもっぱら高度な情動のおかげだ。
どこでどのように暮らしているにせよ、世界はつねにさまざまな難題を突きつけてくる。それを克服するために我々は、感覚によって周囲の状況を感知し、知識や経験を踏まえて思考によってその情報を処理する。その知識と過去の経験が思考に流れ込んでくる主要な経路の1つが、情動を介してである。
キッチンで肉を焼くたびに、火事になる可能性を理性的にせっせと分析することはないかもしれないが、火事に対するちょっとした恐れがコンロのそばでの思考や行動につねに影響を与え、より安全な判断へと導くのだ。
自分の情動を認識し、手なずけよう
情動は人間の心理的道具の1つだが、人によってそれぞれ違う。恐怖を抱きがちな人もそうでない人もいるし、幸せなどほかの情動についてもそうだ。
情動はれっきとした理由があって進化し、たいていは役に立つが、とくに我々の暮らす現代の世界では逆効果をもたらすこともある。
私が伝えたいのは、自分の情動を認識して大事にし、自分の情動プロファイルを知ってほしいということだ。自分のことを意識できれば、自分の感情を手なずけていつでも役立たせられるのだから。
(翻訳:水谷淳)
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