注目ポイントの2つ目は「結成16年以上(2007年12月31日以前に結成)」という条件だ。この点からも、若さに任せて、アイデアとスタミナと手数を過剰に組み込む人工的な「漫才」ではなく、「地肩」で勝負する円熟味にあふれた漫才が制する確率が高まるとみる。
また3つ目としてトーナメント制が採用されていること。先の8組が一線上で戦うのではなく、2組ずつでぶつかり、その勝者が勝ち残っていく方式。ということはつまり、決勝戦に勝ち残った2組は、トータルで3本ものネタを披露することになる(ので、番組自体も4時間10分もの長尺となるのだが、さすがに長すぎると思う)。
まとめると、長尺×円熟×ネタ数に長けた漫才師のための大会。つまりは、我々世代にとっての「普通の漫才」に寄った大会になるのではないかと期待するのだ。
『THE SECOND』の優勝候補は?
ここで、今回の展望を語ってみたい。まずはトーナメント表。
この組み合わせを見て思うのは、前半・後半で空気が違ってきそうということだ。前半は、どちらかといえばM-1の延長というか、円熟よりも攻撃的でパンクな空気が支配しそうで、そんな空気を追い風にして、マシンガンズと三四郎が勝ち残りそうな気がする。
実はパンクな漫才といえば金属バットで、個人的には、そのセンスの塊のような漫才を強く推すのだが(好みだけで言えば8組の中でいちばん好き)、『THE SECOND』という新しい大会のトップバッターというのは、かなりのアゲインストではないだろうか。
逆に後半は、先に書いた円熟志向、「普通の漫才」のほうにシフトしそうな感じがする。ギャロップとテンダラーの関西風コテコテ対決や、囲碁将棋に囲まれる中で、超新塾には不利な空気になりそう。
そう、囲碁将棋。今回私(と先の知り合い)が優勝候補として挙げるのは彼ら。吉本だが関西ではなく、関東で活動する漫才師。文田大介と根建太一(ともに42歳)の2人組。同じ高校(東海大相模)の囲碁将棋部に同級生として所属していたことが芸名の由来。
芸風を評すれば「アクを抜いた笑い飯」という感じ。笑い飯同様「Wボケ」になるネタも多いのだが、執拗に言葉尻にこだわりながら、彼ら独特の不思議な世界観が展開されていく。
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