漫才コンビ「錦鯉」(にしきごい)が売れてきた。
昨年のM-1グランプリで決勝進出、惜しくも4位で、最終決戦には残れなかったのだが、今年に入っての活躍は、最終決戦に残った3組と並ぶ、いや、上回っている感さえある。
先日発売された『週刊SPA!』(3月9日号)において、長谷川雅紀(左側、ボケ)は「本当にちょっとしたパニックですよ。用意もしてないのに急に戦場に送り込まれたみたいな」、渡辺隆(右側、ツッコミ)は、「思ってた以上に忙しくなりましたね。今年に入ってから休みという休みはないかも」と語る。
話題を呼んだのは、彼らの年齢だ。1971年生まれ(今年50歳)の長谷川雅紀と、1978年生まれ(同43歳)の渡辺隆は、2006年のM-1に41歳で出場した「変ホ長調」の小田ひとみの記録を抜いて、「M-1(決勝)史上最高齢コンビ」となったという。
そんな年寄りコンビが、なぜ今、引っ張りだこになっているのだろうか。
M-1優勝者の「偏差値」から考える
まずはM-1そのものについて考えてみたい。それも錦鯉が出場した昨年の回ではなく、一昨年の回について。一昨年2019年のM-1は、ミルクボーイが圧倒的な強さを示した回である。
あの回のミルクボーイが、決勝(=1本目の漫才)で叩き出した得点「681点」が、いかにすごかったのかを数字で示してみたい。M-1は各回で、出場者数や審査員の人数が異なるので、得点の横比較は困難。そこで各回における全出場者の決勝得点を母集団とした偏差値を算出してみた。偏差値――読者の多くが受験時代に親しんだであろう、あの「偏差値」だ。
1位:ミルクボーイ(2019年):71.0
2位:アンタッチャブル(2004年):70.5
3位:チュートリアル(2006年):67.9
4位:銀シャリ(2016年):66.5
5位:フットボールアワー(2003年):66.4
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最下位(16位):マヂカルラブリー(2020年):59.1
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