錦鯉の場合は、ナイツ・塙と立川志らくで相対的に高く、逆にオール巨人で低かった。パンクな芸風は、東京演芸界では支持される土壌があるものの、関西含めた全国区になることには、まだ壁があるという状況の反映かもしれない。
そこで、M-1ファンにはおなじみ、審査を終えてから本人がアップするオール巨人のブログの中から、当の錦鯉の評価を見てみたい。
オール巨人が指摘しているのは以下3点。
(1) 「レーズンパンは見た目で損してる!」のフレーズを、もう2~3回入れるべきだった。
(2) 開口一番「こんにちは~!」と入るのを、時間を考えて「こんばんは~!」にするべきだった。
(3) 滑舌を直すために歯を入れるべき(註:長谷川雅紀は、歯が8本抜けていることを公言している)。
滑舌がよくなれば人気も全国区に?
私の感想を言えば、決めぜりふ「レーズンパンは見た目で損してる!」が聞き取りづらく感じ、それこそ「損してる!」と思った。オール巨人の感想と合わせると、歯が少ないことで滑舌が悪くなっていて、それがせりふを聞き取りづらくさせたのだろう。
そのあたりのことを、長谷川雅紀自身もわかっているようで、こう発言している――「入れ歯で、滑舌もよくなるでしょう。今年のM-1グランプリ2021では、ちゃんと『レーズンパン』が聞き取れることでしょう」(NEWSポストセブン 2021年1月10日)。
予定通りに入れ歯を入れれば、滑舌がよくなり、その滑舌で「こんばんは~!」と叫んで、「レーズンパンは見た目で損してる!」を聞き取りやすく繰り返す――これだけで全国区の評価を得られるのだ。今年のM-1での躍進は、もう見えたようなものだ!
1977年、パンクロックの雄=セックス・ピストルズのアルバム『勝手にしやがれ!!』が、全英チャートの1位に輝いた。2021年、パンクなノー・コンテクスト漫才の雄=錦鯉が、M-1グランプリの1位に輝くのを期待したい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら