欧米のエリートはなぜ「NO!」と言うのか

「答えのない問い」で鍛えられる人たち

正解がひとつしかない思考を日本人に植えつけてしまっている典型例が、マークシート方式の試験です。

マークシート方式の問題は3択、4択と選択肢の数はさまざまですが、いずれにせよ複数の選択肢から1つの正解を選ぶというもの。まさに正解がひとつしかない”唯一絶対の正解”を要求する問題です。

米国やフランスの試験にもマークシート方式は採用されていますが、それだけでなく受験者独自の考えを問う記述式の問題が重視されています。

暗記力や記憶力だけでは解けない、「あなたはどう考えますか?」という思考力を問う記述式の問題が多用されているということです。

私は2014年の大学入試センター試験の翌日、新聞に掲載された「倫理」の問題を読んで愕然としました。構造主義の代表的思想家、レヴィ=ストロースが紹介され、彼の思想を正しく説明したものを選ぶという問題でした。これはあまりにも無意味な問題だと感じたのです。

重要なのは、正解のない問い

「倫理」という分野で試験をするのであれば、暗記力や記憶力の正確さを試すだけの問題ではなく、過去の思想家の考えを踏まえ、自らの意見を現代社会の視点を入れ込みつつ答えるような問題でなければ、受験生のポテンシャルは測れません

日本の入試は、この手の“知識偏重”の問題が主流です。知識も大切なことではありますが、今の時代、インターネットで検索すればわかるような知識を問う試験を主流にする意味は、かなり薄れていると思います。

重要なのは、ネット検索しても正解が出ない問題。その人ならではの思考力や判断力を問うことです。それこそ「正解のない問題」ということです。

「正解のない問題」に答えるために必要なものが、哲学的思考法であり、それによって身につくものが教養です。そういう力を磨いていかなければ、グローバルな国際社会では通用しないでしょう。

今回ご紹介差し上げた内容は、本書が説く「哲学的思考法」の大切な最初の一歩です。ここでは、コミュニティを構築し世界をより素晴らしいものにしていくまでの考え方をまとめています。ぜひ手にとっていただき、「哲学的思考法」を身につけ、世界のエリートとして、世界をよりすばらしいところにしていただけると幸いです。

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