欧米のエリートはなぜ「NO!」と言うのか

「答えのない問い」で鍛えられる人たち

こうした事態になる原因はいろいろあると思いますが、その背景には“正解がひとつしかない思考”に慣らされていることの弊害があるのではないでしょうか。

(写真:haru_natsu_kobo / PIXTA)

正解がひとつしかない思考とは、日本の学校のテストのように○(正解)か×(不正解)かの二者択一、もしくは3択とか4択の選択肢の中から解答するという正解があることが前提となっている思考です。そして、不正解を恐れる傾向が強い。

そもそも質問に正解も間違いもないと思うのですが、正解がひとつしかない思考に慣らされていると、“的外れの発言”を必要以上に恐れ、他人に間違ったと思われることが恥ずかしいという心理が働いてしまいます

その結果、「触らぬ神に祟りなし」の如く、なにも行動を起こさなくなってしまうのです。

自分の現状をきちんと認識する

欧米で行われる講演会でも、同じく質疑応答の時間があります。しかし、日本で行われる講演会とは違い、内容に関心を持った聴衆が即座に手を挙げ、質問をする光景が当たり前になっています。

むしろ“手を挙げないことが恥ずかしいこと”くらいの意識をもっているかのようです。英語やフランス語を母国語とせず、文法が滅茶苦茶な人でも、意に介さず堂々と質問するシーンも見掛けます。

そして、優れた質問をした人のもとには、講演会終了後に人々が集まってくることもあります。「とってもいい質問だったよ、参考になった」、と。

講演者ではなく質問者に駆け寄ってくるというのは、日本ではまず見かけない光景ではないでしょうか。私自身、その光景を初めて目の当たりにしたときは、新鮮な驚きがありました。しかし、海外に出れば、それが当たり前なのです。自らの思考をシェアすることで輪が広がる。著書『世界のエリートはなぜ哲学を学ぶのか?桁外れの結果を出す人の思考法 』(SBクリエイティブ)でも述べていますが、自己を中心としたコミュニティ構築のスタートとなります。

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