「出生率が低下しても人口増」のカギは分け方 外国人人口の増加で総人口の減少が抑えられる

✎ 1〜 ✎ 196 ✎ 197 ✎ 198 ✎ 最新
拡大
縮小

今回の推計では、日本人人口は、2050年に9740万人、2060年に8767万人、2100年に5307万人、2110年に4665万人となると見込まれている。これに対し、前回の推計での日本人人口は、2050年に9816万人、2060年に8877万人、2100年に5587万人、2110年に4987万人という推計結果だった。

やはり、出生率の低下がより強く影響して、日本人人口は前回の推計よりも少なくなるという見通しとなっている。2060年には、前回の推計よりも110万人も少ないという結果である。政令指定都市1個分の人口に相当する。

それでも、2060年の総人口は9615万人と、前回の推計の9284万人よりも331万人多いという推計結果である。ということは、2060年の外国人人口は、前回推計より441万人も多いという見通しとなっている。

人口減少が抑えられる、というが、そのイメージは想定とは違うものだろう。もちろん、これは日本に居住する外国人について、コロナ前の近年のような状況が今後も続くという前提での話である。

男性の平均寿命が延びている

平均寿命(出生時の平均寿命)は、2020年に男性81.58年、女性87.72年だったのが、今回の推計では、2050年に男性84.45年、女性90.50年となり、2065年には男性85.57年、女性91.61年となると見込まれている。

前回の推計では、2050年に男性84.02年、女性90.04年となり、2065年には男性84.95年、女性91.35年だったから、男女それぞれ平均寿命が延びているという見通しとなっていることがわかる。

顕著なのは、男性の平均寿命である。前回の推計に比べて、(比較可能な)2065年では0.62年も延びている。これが、将来における高齢化率(65歳以上人口が全人口に占める割合)にどう影響しているか。実は、その影響は単純ではない。

次ページ男性の長生きがどう影響するか
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT