「出生率が低下しても人口増」のカギは分け方 外国人人口の増加で総人口の減少が抑えられる

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それでも、人口減少が抑えられるという推計結果となっているのはどうしてか。

カギは、日本人と外国人の人口を分けて推計している点にある。

総人口というのは、日本に3カ月以上居住する日本人と外国人を指す。それは、今も昔も変わらない。今回の将来推計人口では、報道発表でも冒頭に「外国人の入国超過増により人口減少の進行はわずかに緩和」との見出しが掲げられている。

外国人の入国超過数は、コロナ禍を除く近年の水準上昇を反映し、長期的には、前回推計では年間約6.9万人だったのが、今回では約16.4万人になると見込んでいる。

この影響は、出生率にも反映された。今回の推計結果を公表する舞台となった社会保障審議会人口部会の4月26日に開催された会合の資料には、前回の推計にはなかった「外国人女性の年齢別出生率」の解説まで付いている。

ちなみに、前掲の合計特殊出生率は、外国籍女性が生んだ日本国籍出生児も含めた出生率である。

日本人人口の減少は加速

では、日本人女性の合計特殊出生率はどう推計されているか。

日本人女性だけだと、中位推計ではボトムが2023年の1.203でそこから緩やかに回復するも、2030年頃には1.29となってそれ以降はほぼ横ばいと想定している。

総人口では、前回の推計よりも人口減少の進行がわずかに緩和されるということだが、日本人人口はどうなっているか。

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