中国は自らが国際秩序を設計する立場となり、国際社会で秩序と価値を競う姿勢を提示した。

「歴史を心に刻み、先人の犠牲を追悼し、平和の価値を尊重しつつ、未来の創造に努める」。9月3日午前、天安門の楼上で習近平国家主席はこのように述べ、抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80年の式典が開幕した。
式典後の『人民日報』などは、中国が平和発展の道を揺るぎなく歩み、世界の平和と人類の進歩を守る決意を示したと強調している。
国際社会はこの言葉を額面どおりに受け止めてよいのか。確かに中国は平和を望んでいる。しかし、同国の国際秩序観、そして「平和をいかに獲得するか」という理解は、日本社会とは大きく異なる。
中国「平和は軍事力に裏付けられる」
26カ国の首脳とのあいさつを終えて、天安門の楼上へと歩む習氏。その両脇にはロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩総書記が並んだ。この中国をロ朝、そして中央アジア諸国などの友好国の首脳が囲む光景には、欧米主導の国際秩序への対抗、そして大国間対立の深化を演出する狙いがあったといってよい。
演説後に行われた閲兵は、中国人民解放軍が米軍に対抗しうる兵器を保有し、未来の新たな戦いを視野に入れた開発を進めている姿を示した。かつては能力を秘匿したが、今は誇示して心理的圧力を意図している。この式典を通じ私たちは、「平和は軍事力に裏付けられる」という中国の国際安全保障パラダイム上の基本命題を再確認した。
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