経済情勢の悪化に社会の不安定化、アメリカの政権交代と危機意識が中国の上層部で広がる。
中国共産党の機関紙誌に掲載される国家指導者についての報道は、指導部の心象風景を理解する数少ない手がかりである。
もちろんそれはナラティブ(物語)で現実と距離がある。分析に当たり、選んだ記事は、語りたいものを説明するために収集していないか冷静に見定める必要がある。
1月1日発行の共産党の機関誌『求是』は巻頭に習近平国家主席の演説原稿を掲載した。この演説は、2023年2月に習氏が共産党の幹部養成機関である中央党校で行ったものである。なぜ2年近くを経て全文を掲載したのか。
「東昇西降」、西洋との体制間競争の発想もつ習近平
当時の演説を聴いたのは、習氏の3期目の指導部が誕生した第20回党大会において、新たに選出された幹部(中央委員会委員)である。演説で習氏は、新人幹部に「中国式現代化をもって強国の建設と民族復興の偉業を全面的に推し進める」と題する訓示をした。
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