改めて両親への感謝を実感した彼は、勉強にさらに力を入れます。各科目の習熟度ごとに授業のレベルを調整することができる四谷学院のおかげで、彼はこの年、勉強にのめり込んだと言います。
「特に、夏休みの合宿では朝8~23時まで1日15時間、徹底的に英語を勉強する機会に恵まれました。合宿後、模試を受けたら英語の偏差値が70くらいになっていたのです。去年から偏差値が20ほど上がっていました」
去年から見違えるほど成績を上げた彼は、模試では東大の足切りライン8割を突破できる740/900点程度まで上げられました。2浪目にしてようやく東大が見えてきたのです。
ノートの取り方がわからなかった
彼はこのとき、「高すぎるプライドが勉強の妨げになっていたことに気づきました」と言います。現役・1浪で失敗した原因として、自分に向き合うことを拒んだ自尊心の高さに加え、「ノートの取り方がわからなかった」こともあげてくれました。
「勉強の仕方がわかっていなかったんです。例えば、板書で蛍光ペンを使うとき、虹色のようにマーキングをしていました。何も頭に入っていないのに、ノートをとっただけで安心していたんです。でも2浪目からはどのように自分が身につけた考えをノートで昇華できるか、再現できるかを考えました。だから、2浪目は使う色を絞って簡潔にまとめています。それから成績が伸びましたね」
こうして自信を持って臨んだ2浪目のセンター試験。彼は得意の英語で9割以上を得点するも、センター試験全体では630/900点台と失敗してしまいました。
「短期間で効率よく問題を処理するような問題が苦手だったので覚悟はしていましたが、ショックでした。前期に首都大学東京(現・東京都立大学)を出願したのですが落ちてしまいました」
2浪したのに今年も国公立に合格できなかった。理想と現実との乖離が、またしても彼を苦しめました。しかし、その年はその絶望の中でも救いがありました。東京理科大学・関西学院大学・東邦大学の3大学に合格し、東京理科大学理学部第一部に進学することができたのです。
「両親ともに、とても喜んでくれましたが、僕は2浪してお金のかかる私立大学に行くことになって申し訳ないと思っていました。学部受験では東大は不合格でしたが、僕は人生で後悔を残したくなかったので『絶対に大学院で東京大学に入り、宇宙の研究をする』という方向に意識をシフトさせました」
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