「2浪で東大不合格」兄に劣等感持つ彼が叶えた夢 宇宙の研究が夢、馬鹿にされても努力し続けた

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広島県にある集落の末っ子として生まれたあおさん。周りと比べて、教育熱心な家庭で生まれ育ったと言います。小学校の成績も上のほうだったようです。

「小学校は、全校児童が100人程度で少人数でした。私自身は4年生の時から中学受験の塾に通って勉強をしていたこともあり、上位の成績でした」

しかし「あまり勉強が好きではない」ことから気乗りせずに、中学受験ではあと一歩のところで第一志望の広島学院中学校に落ち、第二志望の近畿大学附属東広島中学校 (※現:近畿大学附属広島中学校 東広島校)に進学します。

中学校に進学したあおさんですが、そこから人生が大きく変わったと言います。

「うまく学校になじむことができず、学校に行くだけで精一杯になってしまいました。学年には120人ほどの生徒がいたのですが、その中で成績も100番くらいに落ちてしまいました」

とくに中学2~3年生の頃はあまりにもつらく、「今も当時の記憶がすっぽり抜け落ちている」と語るあおさん。なんとか高校に上がれたものの、学力がいちばん下のクラスに割り当てられました。

それでも、高校受験を経て入学してきた人たちがクラスメートになったこと、部活に入部したことで友達もでき、学校に行くことが苦痛にならなくなったようです。

そんなあおさんが将来のことを本格的に考え出したのは、高校2年生の時でした。

大好きだった兄が東大に合格

「幼いころから仲のよく、大好きだった兄が東大に合格したのです。それで、僕も通った中学受験の塾に兄と一緒に合格報告に行くと、先生が子どもたちに『東大生だよ!』と紹介して握手会のような形になりました。それに大きな疎外感を抱いたのです。また、僕もその先生に教わったのですが、自分のことは忘れられていました……。そこから兄に対するコンプレックスを抱いて、自分も東大に行きたいと思ったのです」

『ガンダム』や『ウルトラマン』、『宇宙兄弟』に出てくる宇宙の世界が好きだったあおさんは、「東大で宇宙関係の研究をする」という目標を掲げます。

周囲にも「東大に行く!」と言い続け、退路も断ちました。しかし、高校3年生になっても模試の偏差値は40台だったために周りからは冷ややかな目で見られていたそうです。

「先生たちの間でも無謀な挑戦だと話題だったようです。結局、センター試験では適当にマークシートを塗ることが多くて、500/900点未満に終わってしまいました」

現役の年は、早稲田大学や東京理科大学なども受けましたが全滅します。

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