コンサルで通用する思考力は「小学校国語」で学ぶ 文章読解で学んだ「構造を読み解く力」とは?

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結局、ビジネスは情報を理解し、分析し、解釈し、伝えて、他者とともに行動することの繰り返しで前に進んでいきます。目から入ってくる情報にせよ、耳から入ってくる情報にせよ、それを理解するには文字どおり「読み解く力」が必要なのです。そして伝える段になれば、内容をできるだけ相手にとって「読み解きやすい」かたちで伝えなければ伝わりません。ともに行動することができなくなってしまいます。

私が受けた恩恵を、社会に、あとに続く人たちにもつないでいきたい。そのような気持ちで大学に戻り、この「構造学習」という学習理論を研究することにしました。

「構造学習」ベースの「構造の読み解き」へ

「構造学習」は、戦後まもなく打ち立てられた初等教育の理論です。詳しくは拙著に譲りますが、国語の読解に始まり、ほかの科目や学級経営に展開されることもありました。中学校でも実践されたことがあったようですが、基本的には小学生を対象とした学習理論です。

ほかにも読解を対象に、段落や意味のまとまりに着目した初等教育理論は多々ある中で、構造学習が特徴的なのは、次の3点と言えるでしょう。

● 教師主体の教授法ではなく、学習者(である子ども)主体の学習法としてまとめられていること
● 文章を「構造」という観点で分析すること
● 最終的に思考トレーニングとして位置づけられたこと

実践者である教員の全国組織が組成され、1970年代には会員が1000名を超えました。しかし残念ながら1980年代以降は縮小し、現在では一部の小学校で実践されているのみです。

「小学校で学びたかった」と思われた方もいるかもしれません。でも、「構造学習」は小学生でなければ実践できないものではありません。学習者主体のトレーニング学習法である「構造学習」は、その学習者が子どもであれ大人であれ、学習の場がどこであれ、実践、習得は可能です。

現に、拙著に推薦を寄せてくださった高校の先輩でありコンサルの先輩でもある、篠田真貴子さんからは、「それを小学校でやっていたの? 構造をとらえるとか、抽象と具体を行き来する能力って、多くの場合は中学生からって言われているから、ちょっと早いんじゃない?」と言われたこともありました。

必ずしも小学生で学ぶのが最適、というわけではなく、誰でも、これまで述べてきた読解力を身につけ、活用していくことができるはずです。

一方で、「構造学習」で扱う文章は子どもでも読める平易なもので、教科書に掲載されているものがほとんどです。また、構造学習の内容や実践について書かれた書籍は小学校の授業という場を想定しており、これまでの実践者が小学校(一部中学校)の教員と生徒であるのも事実です。

そこで、「構造学習」で培われるものを想定し、子どもだけではなく大人も、どの学校・組織に所属していてもしていなくても、読解を通じて論理や心情の構造を読み解き、自身の思考を組み立てる「構造を読み解く力(構造読解力)」を提唱しようと思うに至りました。

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