中国ネット配車サービス最大手の滴滴出行(ディディ)は4月13日、EV(電気自動車)メーカーと共同開発した自動運転車両を2025年から量産すると発表した。自動運転技術の開発を手がける子会社のCOO(最高執行責任者)を務める孟醒氏が、同日に開催したイベントで明らかにした。
量産車両の第1号モデルは国有自動車大手、広州汽車集団の傘下にあるEVメーカーの広汽埃安新能源汽車(広汽AION)と共同開発し、ディディのネット配車サービスに投入する。自動運転のソフトウェアや(センサーなどの)ハードウェアの開発技術をディディが提供し、広汽AIONが車両の設計と製造を担当する計画だ。
ディディは自動運転技術の研究開発に2016年から着手し、2019年には研究開発部門を分離・独立させた。スピンオフ後の子会社は(投資ファンドなどから)2020年に5億2500万ドル(約700億6200万円)、2021年に3億ドル(約400億3500万円)の資金調達に成功している。
車両の洗車や充電も自動化
2020年6月からは、上海市内で(試作車両を使った)一般乗客向けのテストサービスを開始。孟氏によれば、すでに1000日を超えたテストサービス中に、ディディ側に過失がある事故は発生していないという。
ディディはさらに、業務の自動化を車両の運転以外にまで広げた24時間営業の配車サービスを、2023年から上海市嘉定区で開始した。「慧桔港」と呼ぶ自動運転車両のステーションを設置し、多機能のスマート・ロボットが車両の洗車、充電、点検、保管などの作業をこなす。
自動運転技術子会社のCEO(最高経営責任者)でディディ本社のCTO(最高技術責任者)を兼務する張博氏によれば、同社のネット配車アプリには上海市と広州市の(自動運転車両のテスト運行が許可された)指定区域内で自動運転車両を呼び出す機能が、すでに実装されている。
乗車地点と目的地がどちらも指定区域内にある場合、アプリ上に「自動運転」のオプションが表示される。ユーザーは(人間が運転する車両と自動運転車両を)自分で選んで呼び出せるようになっているという。
(財新記者:銭童)
※原文の配信は4月13日
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