中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は7月21日、同社が開発を手がける自動運転タクシー「Robotaxi(ロボタクシー)」の次世代車両を発表した。百度の自動運転技術開発プロジェクト「Apollo(アポロ)」から生み出された第6世代のロボタクシーであり、車両の製造コストを1台当たり25万元(約511万円)に抑えたのが特徴だ。
「ロボタクシーの運賃は、将来的には現在の(人間が運転する)タクシーの半額になるだろう」。百度の創業者兼CEO(最高経営責任者)の李彦宏氏は、そう意気込みを語った。
第6世代のロボタクシーは設計段階から自動運転専用車両としてデザインされ、製造はパートナー(の自動車メーカー)と共同で行う。2023年から公道上でのテスト運行を開始し、2024年から大規模展開する計画だ。
百度の第5世代までのロボタクシーは、すべて自動車メーカーの既存車両をベースに開発された。自動運転に不可欠なセンサーや制御システムは自動車メーカーの生産ラインで装着するか、または完成後の車両を改造して組み込んでいた。
既存車両ベースではコスト削減に限界
「以前のやり方では、自動運転車両としての安全性の確保や品質の向上に限界があり、コスト削減も難しかった」。百度の自動運転事業部を率いる王雲鵬氏は、第6世代で専用設計に移行した理由について、発表前日のメディア向け説明会でそう述べた。
百度によれば、2021年6月に発表した第5世代のロボタクシーの製造コストは1台当たり48万元(約982万円)だった。25万元の第6世代は、専用設計にすることでそれを半分近くに圧縮したことになる。
自動運転分野の百度のライバル企業は、車両の製造コストを公表していない。だが業界関係者によれば、3次元レーダーなどを含む高度な自動運転システムを搭載する車両の製造コストは50万元(約1023万円)以上が一般的であり、100万元(約2046万円)を超えるものもあるという。
ロボタクシーは、百度が自動運転技術を収益化するための応用分野の1つだ。同社は2021年8月、ロボタクシーの配車のプラットフォーム「Apollo Go(アポロゴー)」の運営をスタート。これまでに中国国内の10都市に合計1000台以上のロボタクシーを配備し、累計100万件を超える配車オーダーを受注したとしている。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は7月21日
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