中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)が、自動運転タクシーの大規模商用化に向けて動き始めている。8月18日に開催された同社のオンラインイベントで、創業者の李彦宏氏は自動運転タクシーの新ブランド「萝卜快跑(ロボタクシー)」の立ち上げを宣言した。
ロボタクシーは、百度がテスト運用してきた自動運転タクシーの「アポロ・ゴー」をアップグレードしたものだ。アポロ・ゴーは、百度が開発した自動運転技術のプラットフォーム「アポロ」をタクシーに応用したもので、2019年にサービスを開始した。現時点では北京市、広東省広州市、湖南省長沙市、河北省滄州市の4都市で展開している。
利用者はスマートフォンにインストールした専用アプリ、または百度の地図サービスである百度地図のアプリを通じて、自動運転タクシーを呼び出す。乗客は最大2人までで、あらかじめ指定された乗降地点から出発し、助手席には(走行時の安全確保のための)係員1人が同乗している。
百度にとって、自動運転タクシーは自動運転技術の商用化を実現するための重要なプロセスの1つだ。2021年5月、李氏は全従業員に宛ててメールを送り、アポロを用いた3つの(自動運転の)ビジネスモデルについて説明した。自動運転タクシーはそのなかの1つであり、3年以内に30都市で3000台の自動運転タクシーを配置し、300万人のユーザーにサービスを提供するとしていた。
滴滴出行なども自動運転タクシー事業に意欲
中国では、自動運転技術の開発を手がける小馬智行(ポニー・エーアイ)、文遠知行(ウィーライド)、オートXなどのスタートアップ企業や、配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)なども、自動運転タクシー事業を展開しようとしている。
すでに一部で試験的な商用化が始まっている自動運転タクシーだが、大規模な商用化に関しては否定的な意見も聞こえてくる。
「大規模商用化を本当に実現するには、(自動運転プログラムでは事前に想定できないような)あらゆる極端な状況に対応できるようにしなければならない。係員の廃止に関しては、現在の技術水準では(走行時の安全を十分確保できないため)実現不可能だ」。通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)でスマートモビリティ事業の責任者を務めていた蘇箐氏は2021年4月、メディアの取材に対してそう語った。
(財新記者:何書静、浦隽)
※原文の配信は8月18日
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