自動運転技術の開発を手がける中国のスタートアップ企業、小馬智行(ポニー・エーアイ)は4月24日、広東省広州市南沙区でのタクシー事業の営業許可を取得したと発表した。このことは、同社が自動運転タクシーの商用サービスを本格展開できるようになったことを意味する。
中国で自動運転タクシーの商用運行が(テスト段階を終えて)正式に許可されたのは、これが初めてだ。小馬智行はまず100台の自動運転車両を投入し、5月から広さ800平方キロメートルのエリア内でサービスを始める計画だ。
なお、自動運転タクシーの運賃は広州市内の一般タクシーと同額を乗客から徴収する。また、自動運転車両の運転席には(非常時にシステムから運転を引き継ぐ)安全担当者の搭乗が義務づけられている。
小馬智行は自動運転タクシーの商用化への取り組みを2021年から加速してきた。同年11月には、北京市で一般市民が利用できる自動運転タクシーの商用運行試験の許可を取得。ただし、そのサービスエリアは北京市経済開発区内の広さ60平方キロメートルの範囲に限られていた。
全国レベルの法規整備には長い時間
今回の広州市での正式許可を皮切りに、小馬智行は2023年までに中国の4大都市(北京市、上海市、広州市、広東省深圳市)で自動運転タクシーの商用運行を始める計画だ。そして2025年にかけて、さらに多くの都市にサービスを広げていくという。
とはいえ、同社が計画をもくろみどおりに進められるかどうかは未知数だ。自動運転タクシーの運行試験は、一般的には(道路インフラなどの条件が整った)都市内の限られたエリアからスタートする。北京市、上海市、広州市、深圳市、湖北省武漢市などの大都市では、地元政府がそうしたエリアを指定し、企業から自動運転タクシーの商用運行試験の申請を受け付けている。
「現段階では、自動運転タクシーの運行条件はエリアごとにばらばらだ。全国をカバーする統一法規の整備は非常に複雑な作業であり、長い時間がかかる。だがそれを待っていたら、技術やビジネスモデルの進歩が止まってしまう。一部のエリアで実績づくりを先行させ、ノウハウを積み上げていくことが肝要だ」。財新記者の取材に応じた自動運転業界の関係者は、そう強調した。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は4月24日
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