自動運転技術の開発を手がける中国のスタートアップ企業の小馬智行(ポニー・エーアイ)が、アメリカのカリフォルニア州車両管理局(DMV)から取得した(すべての運転操作をシステムが制御する)完全自動運転による公道試験走行の許可を、わずか6カ月で取り消されたことがわかった。
2021年12月13日付のロイター通信の報道によれば、同年10月28日、小馬智行の完全自動運転車両がカリフォルニア州の公道を走行中に事故を起こした。DMVはこれを重く見て、2021年5月に同社に付与した許可を暫定的に停止した。DMVがこのような(厳しい)対応を取ったのは今回が初めてだという。
「わが社の無人テスト車両がカリフォルニア州で実施していた日常的な試験走行の最中に、軽微な衝突事故が発生した。負傷者はおらず、(道路上の)他の車両にも被害はなかった。この事故の発生後、われわれは直ちにDMVに報告し、現在も緊密なコミュニケーションを続けている」。財新記者の取材に対して、小馬智行はそう説明した。
具体的な問題点は明らかにされず
DMVがウェブサイトで公開している事故の報告書によれば、小馬智行の無人テスト車両は交差点を右折する際に道路の中央分離帯および交通標識にぶつかった。その結果、車両前部に中程度の損傷が生じたが、搭乗者や通行人、別の車両などの被害の記録はなく、小馬智行の説明と一致する。
そもそも完全自動運転車両の公道試験走行では、この種の(軽微な)事故は決して珍しくない。DMVのウェブサイトよれば、2021年12月3日時点までに類似の衝突事故が累計367件も報告されており、2021年だけでも89件に上る。
にもかかわらず、小馬智行はなぜ試験走行許可を取り消されたのか。10月28日の事故の具体的に何が問題だったのか、真相は藪の中だ。自動運転技術に詳しい関係者によれば、当局が(いったん付与した)許可を軽々しく取り消すことは考えられないという。財新記者は事実関係についてDMVに問い合わせたが、回答は得られなかった。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は2021年12月16日
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