アジアを代表する国際ハブ空港の1つ、香港国際空港の第3滑走路の建設が完了した。同空港を運営する香港空港管理局は4月21日、第3滑走路を使ったテスト飛行が順調に実施されたと発表。関係当局の許認可手続きなどを経て、2022年中に供用を開始する。
第3滑走路の建設は2016年に着工し、完成まで6年近くを費やした。1841年の香港開港以来、最も高額なインフラ建設と言われており、予算総額は1415億香港ドル(約2兆3086億円)に上る。
香港政府の行政長官を務める林鄭月娥氏は2021年の施政方針演説のなかで、「第3滑走路の建設は香港国際空港の旅客数を増やし、競争力をさらに強化するための戦略的な投資だ」と強調した。
現時点では、香港国際空港は2本の滑走路のうち南滑走路を主に離陸、北滑走路を着陸に用いている。香港空港管理局の説明によれば、第3滑走路の竣工後は北滑走路(第3滑走路)を着陸用、中間滑走路(現北滑走路)を離陸用、南滑走路を離着陸両用として運用する計画だ。
入境時の強制隔離が競争力の重石に
世界の航空業界に甚大な打撃をもたらした、新型コロナウイルスの世界的大流行が始まって2年余り。国際ハブ空港としての香港はいま、競争力や位置づけの地盤沈下のリスクに直面している。
香港政府は、2021年12月末に始まった新型コロナの感染拡大の第5波が落ち着いてきたことを受けて、防疫措置の緩和に着手。4月1日からアメリカやイギリスなど9カ国からの旅客便の乗り入れ禁止措置を解除したほか、海外からの入境者がウイルス検査の結果が陰性だった場合の強制隔離期間を7日間に短縮した。
しかし航空業界には、このレベルの緩和では香港国際空港の競争力維持は難しいとの見方がある。「すでに大部分の国が強制隔離を廃止しており、(香港が)7日間に短縮しても効果に限界がある」。国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務総長は、4月6日の記者会見でそう述べた。
(財新 駐香港記者:彭胡清鈺、周文敏)
※原文の配信は4月22日
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