中国では新型コロナウイルスの再流行が続くなか、サービス業の経営が強烈な逆風にさらされている。5月5日に発表された4月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は36.2と、前月(42.0)より5.8ポイント低下。好不況の目安である50を大きく割り込み、2020年3月以降の最低値を2カ月連続で更新した。
前週の4月30日に発表された4月の財新中国製造業PMIは46.0と、前月(48.1)より2.1ポイント低下し、やはり2カ月連続で2020年3月以降の最低値を記録した。厳格な防疫対策に伴う負の影響は、製造業とサービス業の両方に及んでいるが、打撃の程度はサービス業のほうがより大きい。
サービス業の4月の事業活動は、需要側でも供給側でも前月比の縮小幅が拡大した。調査対象企業からは「防疫対策のために営業活動が制約されると同時に、ロックダウン(都市封鎖)や市民の行動制限がサービス需要に深刻な影響をもたらしている」との声が寄せられた。
雇用は4カ月連続で縮小基調に
需要と供給がそろって縮小するなか、サービス企業の経営者は新規採用にますます慎重になっている。サービス業の4月の雇用指数は前月より若干低下し、拡大基調と縮小基調のボーダーラインを4カ月連続で下回った。
サービス企業は経営コストの上昇圧力にも引き続き直面している。エネルギーや原材料の価格の高止まりに、防疫対策のコストが積み重なり、サービス業の(仕入れ価格の指標である)投入価格指数は4月もボーダーラインを上回った。
その一方で、需要の縮小により多数のサービス企業が販売価格の値下げを迫られている。(販売価格の指標である)サービス提供価格指数は4月は8カ月ぶりにボーダーラインを割り込み、2020年5月以降の最低値に落ち込んだ。
調査対象企業からは「新型コロナの再流行の影響でレストランやホテルの来店客数が顕著に減少した」との声が寄せられ、先行きへの不安が高まっている。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は5月5日
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