中国ネット配車「ディディ」がユーザー登録再開 サイバーセキュリティ審査を終え1年半ぶり

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ディディに対する中国当局のサイバーセキュリティー審査は1年半の長きに及んだ(写真はディディのウェブサイトより)

中国のネット配車サービス最大手の滴滴出行(ディディ)は1月16日、中国政府のサイバーセキュリティー当局の審査と承認を経て、同社のネット配車アプリの新規ユーザー登録を再開したと発表した。その声明のなかで、ディディは「国家のサイバーセキュリティー審査に真摯に協力し、その過程で指摘されたセキュリティー上の問題に厳正に対処し、全面的な是正を行った」と強調した。

ディディに対するサイバーセキュリティー審査は1年半の長きに及んだ。始まりは2021年6月30日に、同社がニューヨーク証券取引所に上場した直後のことだった。同年7月2日、国家インターネット情報弁公室がディディに対して、国家安全法およびサイバーセキュリティー法に基づく審査を行うと発表。この審査が終了するまで、ディディはユーザーの新規登録の停止を命じられたのだ。

さらに、主力のネット配車アプリを含むディディ傘下の26のアプリが、新規ダウンロードを凍結された(訳注:アプリをダウンロード済みの登録ユーザーは、サービスを継続して利用可能)。2週間後の2021年7月16日、国家インターネット情報弁公室は公安省、国家安全省など関係7省庁と共同で、ディディのサイバーセキュリティー審査に着手した。

配車オーダーが4割減少

1年後の2022年7月21日、国家インターネット情報弁公室はサイバーセキュリティー法、データセキュリティー法、個人情報保護法、行政処罰法などの規定に基づき、ディディに対して総額80億2600万元(約1530億円)の罰金を科した。だが、この時点ではアプリの新規ユーザー登録は再開されず、市場関係者の間では(政府によるペナルティーの)最終的な落とし所がどうなるかについて注目が集まっていた。

主力事業の正常化にようやくこぎ着けたディディだが、その前途は楽観できない。この1年半の間に、中国のネット配車サービス市場では静かな構造変化が進行した。地図アプリ大手の「高徳地図(オートナビ)」やネット出前サービス大手の「美団(メイトゥアン)」などが、自社アプリを入口にしたネット配車サービスを急拡大させているからだ。

本記事は「財新」の提供記事です

現時点では、ディディは中国のネット配車サービス市場で依然首位の座を守っている。2022年半ば時点の配車オーダー件数は、オートナビが1日当たり最大700万件、メイトゥアンは1日平均100万件前後だった。これに対し、ディディは1日平均1600万件前後を維持している。

とはいえ(新規ユーザー登録が停止される前の)2021年4〜6月期の配車オーダー件数が1日平均2800万件だったことを考えると、ディディは約4割のオーダーを失った格好だ。

(財新記者:杜知航)
※原文の配信は1月16日

財新 Biz&Tech

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