中国の新興EV(電気自動車)メーカー、小鵬汽車(シャオペン)の業績が失速している。
同社は3月17日、2022年10~12月期の四半期決算と2022年の通期決算を発表。それによれば、通期の売上高は268億6000万元(約5171億円)と、前年比28%の増加にとどまった。また、純損益は91億4000万元(約1760億円)の赤字となり、損失額が前年比9割近くも拡大した。
小鵬汽車の2022年の販売台数は12万700台と、前年比23%増加した。しかし第4四半期(10~12月期)の販売台数は2万2200台にとどまり、前年同期比46.8%の大幅な落ち込みを記録した。
同社はライバルの理想汽車、蔚来汽車(NIO)とともに、中国自動車業界の「新勢力」と呼ばれて注目を集めてきた。3社の販売台数を比べると、2021年は小鵬汽車が僅差でトップに立っていたが、2022年は理想汽車の13万3200台、蔚来汽車の12万2500台に逆転を許した。
旗艦モデル「G9」の誤算
業績失速の最大の要因は、2022年10月末に投入した新型の旗艦モデル「G9」の販売不振だ。その販売台数は11月の1546台から12月は4020台に増えたが、2023年1月は2249台に減少してしまった。
もちろん、1車種の成否をもって小鵬汽車の将来を悲観するのは早計だ。とはいえ、クルマのラインナップが(大手自動車メーカーに比べて)少ない新興メーカーにとって、貴重な経営資源を大量投入して開発した旗艦モデルが市場の冷遇を受けた誤算は大きい。
そんな同社の喫緊の課題は赤字体質からの脱却だ。「収益力を高めるため、コストダウンを徹底する」。3月17日の決算説明会で、小鵬汽車の首脳陣はそう何度も繰り返した。
さらに、小鵬汽車の創業者で董事長(会長に相当)を務める何小鵬氏は、「技術革新を通じて、2024年には自動運転システムのコストを2023年比半減、EVのハードウェアのコストを25%削減する」という高い目標を掲げた。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は3月18日
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