前述したように、ここ数年、aikoにはいくつかの大きな変化があった。
1つは、長年、彼女のアルバムのプロデューサーを務めていた人物が現場を離れセルフプロデュースになったこと。
「私は、音楽さえやれたらよかった。自分が良いと思う音楽を作れて、ツアーでファンのみんなに会えたら、それでよかったから。ある程度、好きにされても、まあ、良いかと思ってしまっていて。まさか、こんなに悪いことしているとは思わなかったけど(笑)。
でも、この考えは、大人として無責任やったなとすごく反省しています。今回のことがあって、音楽のことだけじゃなくて、プロモーションとか全体のことも、自分で把握して、ジャッジしてやっていこうと思うようになりました」
現在は、アルバム制作におけるミュージシャンやスタッフとの直接のやりとりはもちろん、時間が許す限り、プロモーションや経営などのさまざまな会議にも参加するようになった。
「自由に能動的に動けるようになったら、いろんなことがより良くなったり、スムーズに決まったり。これまで知らなかったことを知って、こんなにも世界は広いんだなと気づけたし、まだまだ、面白いことできそうだなと。今はとても良い環境で音楽をやれています」
結婚という大きな転機
時をほぼ同じくして、もう1つの大きな転機が訪れた。2020年、コロナ禍の中で結婚。翌2021年に、それを発表したのだ。折に触れ、結婚願望がないと語っていた彼女だが、何か心境の変化があったのだろうか。
「何だか結婚……しましたね(笑)。そもそも、結婚を大ごととは捉えてなかったというか。願望もなかったけど、拒絶感もなかったんです。結婚と恋愛はそれほど違わないし、一生添い遂げないとダメだとも思ってなかったんですけど、大切な人に出逢えて良かったです」
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