18歳までは、同性愛者であることをひた隠し、自分にうそをついて孤独に生きてきたのだと。その後、アメリカ留学に活路を見いだそうとしたものの、今度は人種差別の現実を目の当たりにする……など数々の挫折も経験。
「自分に正直に生きることこそが、人生と世界の扉を開くカギだった」と語る西村さんが、人生の暗黒期を乗り越えるまでのストーリーに追った前編に続き、後編では、西村さんのさらなる飛躍とこれからの挑戦に迫ります。
両親へのカミングアウトですべてが変わった
会社員でも自営業でも、複業を選択する人が増えている時代だが、西村さんほど色合いの異なる3つの肩書を持っている人は珍しいのではないだろうか。
「アーティスト、僧侶、LGBTQ活動家。たしかに今、私には3つの肩書がありますが、綿密に計画を立てて生きてきたわけではありません。その都度、もっと成長したいと思って歩んできた結果、開けていった道です」
20代前半、最初についた仕事は、メイクアップアーティストだった。N.Y.の名門パーソンズ美術大学在学中、憧れていたメイクアップアーティストのアシスタントを始めたのだ。
「メイクは、魔法ですよね。強く美しくなれる魔法。子供の頃から、セーラームーンやディズニープリンセスが好きだったんですけど、それは変身したり、美しくおめかしすることで人を救ったり、誰かに勇気を与える存在だったから。私も今、さらに多くの人にメッセージを伝えるため、メイクやおしゃれをコミュニケーションのツールとして楽しんでいます」


















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