孤独がaikoにしかない聖域を作り、そこから歌が生まれる。
「私のようなシンガーソングライターは、歌が自分そのものです。音楽は、私の体の中から出てくるものだから、他の人の影響を受けすぎたくないんですよね。
だから、人に会うことや心を明け渡すことを制限しちゃうし、歌以外の仕事も、誰かの曲をプロデュースするのも難しく感じます。コラボとかもビビって出来ないんですよね」
aikoがコラボをしない理由
コラボしない理由を尋ねると、彼女は考えながらこうつぶやいた。
「アーティストとかキャラクターなんかもそうですけど、そのままで十分、魅力的なのに、コラボしすぎやなって思うことがあったりするんです。ありのままでいいのに、そんなに装飾する必要あるのかなって(笑)」
彼女にとって音楽は自分が自分であることを表現するものだから、外側からの装飾は必要ないということか。
コラボにあまり興味を抱けないのは、子どもの頃から生粋の音楽ファンだったaikoならではの思いもある。少女時代、孤独だったaikoを救ってくれたのは、聴き手と1対1で向き合って、自分の大切なものを打ち明けてくれるようなアーティストだった。
「私、自分のデビュー前からKANさんのことが大好きなんですけど、KANさんにはあんまりコラボしてほしくないって思っていたんです。KANさんだけの声が聞きたいし、KANさんのことが知りたい。1対1で向き合いたいから、誰かとの関係性はいらんって思ってたから(笑)。自分がデビューしてからは、ファンだった時の自分の夢を叶えているんです」
数少ないコラボ相手だった東京スカパラダイスオーケストラやラジオ番組中に一緒にカブトムシを歌って話題になったKing Gnuの井口理など、心の支えとなるアーティスト仲間はいる。けれど、実際にプライベートを共にしたり、語り合ったりすることは滅多にない。
「井口くんも、一緒に歌って仲良くなれたと思ったけど、あの後は、2ターンくらいでLINEのやりとりが終わってます。音楽があるからこそのつながりです(笑)。
ただ、今までミュージシャンの方々やスタッフさんとも、ほとんどお付き合いがなかったから、この業界の情報とか常識をまったくと言っていいほど知らなくて。数年前までは、ホント、音楽を作る以外のところで何が起こっているのか、いろんなことに気づけなかったところはあると思います」
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