医師解説「コーヒー驚きの健康効果」正しい飲み方 「この飲み方」なら健康にいい!医学根拠も紹介

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【3】「幸せ」を感じ「若さを保つ効果」が期待できる

コーヒーに含まれているカフェインは、「幸せホルモン」といわれるドーパミンやセロトニンの分泌量を増やすともいわれています。

コーヒーに含まれるカフェインが「幸せホルモン」といわれるドーパミンやセロトニンの分泌量を増やすとされるほか、抗酸化作用のある「クロロゲン酸」が血管を若く保つことなども期待できる(イラスト『「100年心臓」のつくり方』より)

また、コーヒーには抗酸化作用のある「クロロゲン酸」(ポリフェノールの一種)が含まれていて、これも血管を若く保ってくれる作用が期待できます。

「カフェインの作用で交感神経が緊張するのでは?」と疑問をもつ方もいらっしゃるでしょう。

たしかにコーヒーは交感神経を刺激するのですが、末梢血管の血流にはそれほど影響がないのです。

とくにホットの状態で飲めば血管が広がるので、血圧にはいい影響を及ぼします。

心拍数は少し上がりますが、いま述べた血流への効果、リラックス効果を考え合わせれば、心拍数上昇を上回るメリットがあると思います。

「睡眠を妨げない範囲」で「体質に合わせて適量」を

ただし、カフェインに敏感な人で、飲むと動悸や体の違和感を感じる場合には、無理に飲まないようにしてください。

コーヒーを飲む量は、総合的に考えると「1日2杯から4杯ぐらいがいい」といわれています。

1日5杯以上となると、カフェイン摂取が多すぎてデメリットが出てきてしまいます。眠りのことを考えたら、「コーヒーは午後3時ごろまで」にしたほうがいいでしょう。

コーヒー以外に、紅茶や緑茶もおすすめです。とくに緑茶は「カテキン」が入っていて、がん予防効果も期待できます。

ぜひ「自分の体質に合った方法」で、毎日の中に「ちょっとしたリラックスタイム」を取り入れてみてください。ストレスは「心臓の健康」にも非常に悪影響を及ぼす怖いものです。

ぜひ「日々の小さな工夫」によって「心身の健康」を保つだけでなく、日本人の死因第2位の「心臓病(心不全)」を防ぎ、人生100年時代を楽しめる「100年心臓」を手に入れてほしいと、医師として強く願っています。

池谷 敏郎 医学博士/池谷医院院長

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いけたに としろう / Toshiro Iketani

1962年、東京都生まれ。医療法人社団池谷医院院長。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。1997年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科、循環器科。現在も臨床現場に立つ。生活習慣病、血管・心臓などの循環器系のエキスパートとして、数々のテレビ出演、雑誌・新聞への寄稿、講演など多方面で活躍中。東京医科大学循環器内科客員講師、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。著書に『体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!』(三笠書房)、『「血管を鍛える」と超健康になる!』『血管の名医が教える15歳若返る習慣』(ともに知的生きかた文庫)などがある。

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