別府と湯布院、コロナ明け後の温泉地が様変わり タクシー運転手が見た外国人観光客と街の様子

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別府駅前のタクシーのりば(筆者撮影)

全国の主要温泉地が、インバウンドの活況で沸いている。今年に入り、いくつかの温泉地を訪れる機会があったが、景気動向と連動するとされるタクシー業界にとっても、その影響の大きさを顕著に感じさせられた。

大分県といえば、世界的にも有名な別府や由布院に代表されるような温泉都市として名高い。なかでも別府市は、観光プロモーションにも温泉を全面に押し出し観光客の誘致に注力している。市の観光協会幹部がこう話す。

「別府市内の観光客はほぼコロナ前に戻ってきました。外国人に関しては国を問わず、福岡空港から大分まで足を伸ばす、という基本的なスタンスも変わっていません。今年に入ってから特に多いのが、タイを中心とした東南アジア圏と韓国からのお客様です。

一方で、国内旅行の方に関しては九州近郊の方、県内の方が占める割合が圧倒的に多い。旅行支援に頼っていた面も大きいので、国内の方の先細りは心配していますね」

意外に思われるかもしれないが、九州圏でタクシードライバー1人あたりの年間収入額が高いのは大分県だ。「全国タクシー・ハイヤー連合会」が発表する令和3年度のデータでは、大分県の年間推計額は約289万円。九州最大の都市である福岡とも30万円ほどの開きがある。いったいなぜ大分のタクシードライバーの収入は増加傾向にあるのだろうかーー。

大分空港 インバウンド
大分空港のタクシーのりば(筆者撮影)

2月下旬、筆者が大分県を訪れた際、その理由の一端を理解できた。大分空港に降りるとすぐにタクシー乗り場が目に入ってくるが、ほとんど動きはない。大分空港は大分市内や別府市という主要地点までそれぞれ約60分、40分とアクセスが良いとはいいがたいからだ。料金も1万円を優に超えるため、観光客はバスやレンタカーの利用がメインとなる。

空港にいたドライバーに話しかけると、「遠方へはビジネス客やインバウンドの個人客くらいで絶対数が少ない。外国人の方も多くはバスでの移動ですから」と明かす。

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