「KPIを妄信する人」にあえて教えたい負の側面 ツイッターの大量解雇が示す目標設定の無意味

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(写真:metamorworks/PIXTA)

4月になり、日本では多くの会社が新会計年度を迎えているのではないでしょうか。新入社員が入ってきたり、新組織の人事異動があったりと、なにかとリフレッシュされる時期ですね。新緑を眺めながら新しい組織で自分や組織の目標を立てることもあるでしょう。日本の4月は、そんないろいろな高揚感のある素晴らしい季節ですね。

日本でも増えてきたKPI、KGIの採用

ところで、個人や組織の目標といいますと、最近日本でも「KPI(Key Performance Indicator =重要業績評価指標)」や「KGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)」という言葉をよく耳にするようになりました。KGIが最終数値目標であるのに対して、KPIはそのゴールを達成するための中間指標で、人事評価をする際などにも利用されます。

海外ではかなり前からKPIによる人事考課制度が採用されていましたが、読者の中には「KPIで業績を管理されるなんて、厳しくなったな」と感じている人も多いのではないでしょうか。それはおそらく「アメリカの○○社が人員削減」といったニュースを見るたびに「海外企業はシビア」という印象を持っていて、そのこととKPIによる人事評価がリンクしているからかもしれません。

ただ、「KPI管理=業績不振社員を処罰するためのシステム」ではありません。KPIは成果主義だ!これは大変!となる前に、日米の雇用制度の違いを理解する必要があります。

そもそも、アメリカは会社都合で社員を簡単に解雇できる社会です(逆に、日本は正社員の解雇が非常に難しい、とても特殊な国であることをみなさんご存知でしょうか)。

「You are fired!(お前はクビだ)」。これは、かのドナルド・トランプ前アメリカ大統領が大統領になる前に出演していたリアリティ番組で、キレるたびに発していたフレーズです。そのコワモテ社長ぶりが逆に人気になり、その後大統領にまでなってしまうのですが、それはさておき、とにかくアメリカでは「Fireされた」というのはそんなにめずらしいことではないのです。

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