日本の企業はブランドの本質を知らなさすぎる

「刀」の森岡毅氏に聞く世界一ブランドの創り方

USJを再建した後、世界に唯一無二のマーケティング支援会社「刀」を設立した森岡毅氏。3年余を経て、これから何を目指すのか(写真提供:刀)
日本を代表するマーケッター、森岡毅氏が率いる「刀」が、新たな飛躍のときを迎えようとしている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の再建を果たし、「日本をマーケティングとエンターテイメントで元気にしたい」と会社を設立したのが2017年。これまでに多くの企業のマーケティング支援を行ってきたが、昨年の2020年には大和証券グループ本社と資本業務提携。マーケティングノウハウの移植だけでなく、出資先企業の経営にも深く関与することで企業の成長スピードを加速させる体制を整えてきた。
今後、刀は何を目指しているのか。その先にあるものとは何か。同社の最高経営責任者(CEO)である森岡毅氏に、2回にわけて話を聞く。

顧客の売り上げを創るために「一緒に汗をかく」

――刀を設立してから3年あまりが経ちました。

P&Gを卒業、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建した後、「マーケティングとエンターテイメントで日本を元気にしたい」という私の想いから同志とともにこの会社を設立しましたが、この初志を曲げずにやって来ることができました。

通常、普通のマーケティング系コンサルタントが顧客に求められる業務は「市場調査」「需要予測」「戦略構築」の3本柱です。たとえばこのうち、需要予測に絞り、1本につき「ある程度の金額」以上で請け負えば、比較的簡単に利益を生み出せます。

手前みそで恐縮ですが、需要予測で私たちに勝てるマーケティング会社は1社もないでしょう。そのくらい、私たちはこの分野だけでも高度なノウハウを持っています。そこに特化すれば売り上げや利益率はもっと向上します。設立当初は「会社を回して行くにはこうした仕事もお引き受けして、上手に稼いだほうが得策だ」という誘惑に駆られたのも事実です。

しかし、そうやって利益を上げた瞬間、刀を設立した目的が違ってきてしまうので、歯を食いしばってでもやりませんでした。刀は「マーケティングが自らの手でできるようになる会社をこの日本に増やしたい」という大義の下に、各分野のプロが集まって設立されたマーケティング支援会社です。

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