日本の企業はブランドの本質を知らなさすぎる 「刀」の森岡毅氏に聞く世界一ブランドの創り方
顧客の売り上げを創るために「一緒に汗をかく」
――刀を設立してから3年あまりが経ちました。
P&Gを卒業、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを再建した後、「マーケティングとエンターテイメントで日本を元気にしたい」という私の想いから同志とともにこの会社を設立しましたが、この初志を曲げずにやって来ることができました。
通常、普通のマーケティング系コンサルタントが顧客に求められる業務は「市場調査」「需要予測」「戦略構築」の3本柱です。たとえばこのうち、需要予測に絞り、1本につき「ある程度の金額」以上で請け負えば、比較的簡単に利益を生み出せます。
手前みそで恐縮ですが、需要予測で私たちに勝てるマーケティング会社は1社もないでしょう。そのくらい、私たちはこの分野だけでも高度なノウハウを持っています。そこに特化すれば売り上げや利益率はもっと向上します。設立当初は「会社を回して行くにはこうした仕事もお引き受けして、上手に稼いだほうが得策だ」という誘惑に駆られたのも事実です。
しかし、そうやって利益を上げた瞬間、刀を設立した目的が違ってきてしまうので、歯を食いしばってでもやりませんでした。刀は「マーケティングが自らの手でできるようになる会社をこの日本に増やしたい」という大義の下に、各分野のプロが集まって設立されたマーケティング支援会社です。
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