「勝ち負け」にこだわり"暴れる子"が抱える苦悩 普通学級にいる「グレーゾーン」の子どもたち
それでも、しばらくすると学校生活にも慣れ、落ち着きが見えてきます。ところが、今度は別の面でパニックを起こし始めます。それは、身体測定や遠足などの行事が入ってきて、予定が変わることです。
「今日は保健室で身体測定をします。廊下に並んでください」と言われると、「イヤだ〜」と、大声をあげてパニックに陥ります。予定が変わり、「何をするのか」の見通しがもてないと、大混乱をきたすのです。
授業中、出された課題を終えると、次に何をするのかを忘れてしまうこともあります。誰だって忘れることはありますので、「次に何をすればいいですか?」と聞いてくれればいいのですが、どう聞けばいいのかがわからないのです。そのため、ボーッとしています。
そして、暇になったので消しゴムなどで遊び始めます。「消しゴムを切りきざんではいけません」「机に落書きをしてはダメですよ」と注意を受けると、怒って教室を飛び出してしまいます。
体育館に入るのを嫌がる
また、体育館などに入るのをいやがることがあります。全校生徒で600人もいると、その人数に圧倒されるのでしょうか、しり込みをします。
もう1つ、体育館のように天井が高く、反響のある場所をいやがり、耳を塞いでしまうことも多く、ときには叫び声をあげて体育館から逃走し、教室に戻ってしまうこともあります。
こんなこともあります。日直が「朝の会を始めますので、座ってください」と言うと、遊んでいたみんなは着席しますが、ウロウロしていて、なかなか着席できないケースです。
「Kさん、着席してください」と声をかけても、知らんぷり。先生が見かねて「Kさん、座って!」と大きな声を出すと、Kさんの顔が険しくなり、近くの友だちを叩いたりします。大きな声を出されると、パニックになるのです。
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