「勝ち負け」にこだわり"暴れる子"が抱える苦悩 普通学級にいる「グレーゾーン」の子どもたち

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勝ち負けにこだわる子ども。背景には何があるのでしょうか(写真: つむぎ /PIXTA)
親なら誰でも、ほかの子どもと比べてわが子の成長度を測ります。そして、「うちの子は、少し発達が遅れていないか?」と心配になることが多いものです。たいていの場合、それは杞憂と考えてよいのですが、最近、発達障害の子ども、あるいはグレーゾーンの子どもが増えてきました。それらの子どもの特徴とはどのようなものでしょうか。特別支援学級の教員である村田しのぶ氏の新著『発達障害&グレーゾーンの子どもが「1人でできる子」になる言葉のかけ方・伝え方』を一部抜粋・再構成し、お届けします。

最近、「発達障害」とか「グレーゾーン」と呼ばれる子どもたちが急増しています。文部科学省によって2022年1月〜2月にかけて実施された調査(同年12月に発表)によれば、通常学級(普通学級)に在籍する児童・生徒の8.8%(2012年は6.5%)に「学習面、行動面で著しい困難を示す」傾向が見られたといいます。

これは国公立の全小学生、中学生、高校生1071万人のうち、94万3000人に相当することになります。

この調査は発達障害のある児童・生徒数の割合を調べたものではありませんし、サンプル調査なので多少の誤差はありますが、学習や生活に困難をきたしている子どもの多いことがわかります。

発達障害ってどういうもの?

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りにより起こる障害です。大声や奇声を発する、暴言や、ときには自傷・他害行為もあります。そして集団生活が苦手で、対人関係(コミュニケーション)がうまく築けない、落ち着きがない、なかには言葉をまったく発しない等々の症状があり、日常生活に困難が生じます。

思うようにならないと、自分の気持ちをコントロールできず、さまざまな行動に出てしまう(キレる)という特徴があります。

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