「勝ち負け」にこだわり"暴れる子"が抱える苦悩 普通学級にいる「グレーゾーン」の子どもたち

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また、ジャンケンで負けると、負けたことが悔しくて、「もう1回やって」と叫びます。みんなから、「負けたのに、ずるいよ」と言われると、今度は友だちを叩いたり、蹴っ飛ばしたり、机を倒したりとあばれます。ルールを説明するとそのときは理解しても、負けるとパニックになるのです。

(本書より引用)

体育の時間には準備体操後、校庭を1周しています。運動は苦手であっても、かけっこはできるのですが、みんなに抜かれ始めると泣き始め、ゴールに戻ってきたときには大粒の涙。負けることが許せないのです。

「イヤだ〜」と叫び、地べたに寝転がります。先生がなだめようとするのですが、パニックは収まりません。

発達障害のある子どもやグレーゾーンの子どもは、見た目ではわかりにくいものです。そのため、先生や周りからの支援を受けられず、困っている場合がたくさんあります。

同じ診断名がついても対応は異なる

『発達障害&グレーゾーンの子どもが「1人でできる子」になる言葉のかけ方・伝え方』(日本実業出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

1人ひとりの障害の特性や能力が異なるだけでなく、障害が重複している子どももいるので、たとえ同じ診断名がついたとしても、その対応や支援方法は1人ひとり異なるということを心しておく必要があります。

発達障害は、発育期の脳の発達に何らかの要因が加わり、機能障害(運動、言語、行動など)が現れます。その症状は幼少期より持続しています。

また、発達障害と診断されていないグレーゾーンの子どもたちは、思っている以上にたくさん普通学級に在籍しています。そして、症状はその日の体調やそのときの環境によっても変わります。

もしも「うちの子、大丈夫?」と不安になる症状が続くようなら、担任の先生、相談機関、医療者などと協力・連携し、それぞれの子どもにあった対応を模索しながら、焦らず支援していくことが大切です。

イラスト:富永三紗子

村田 しのぶ 特別支援学級教員

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むらた しのぶ / Shinobu Murata

神奈川県綾瀬市、秦野市立小学校の普通学級教諭を15年務める。その後、特別支援学校教諭の免許を取得し、特別支援学級を25年以上にわたって担当する。現在は、発達障害のこどもをもつ親、あるいは障害のあるこどもを指導する後輩教員、支援員に対して、さまざまなアドバイスを行なっている。秦野市就学指導教育支援員、公立小学校特別支援非常勤講師、保育所等訪問支援員、放課後等デイサービスにて児童支援員などを務める。

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